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鑑賞レビュー:根津美術館 燕子花図屏風 絢爛と楽想

過日となりますが4月29日、東京青山の根津美術館をたずねました。

今年は、毎年庭園の燕子花が盛りのわずかな時期だけ公開される根津美術館の所蔵作品「国宝 燕子花屏風」を見ることができました。
(館内では撮影はできませんのが2点ともパブリックドメインだということなので画像引用させていただきます。)

燕子花図屏風 右隻
燕子花図屏風 左隻

●この絵は江戸時代(18世紀)の絵師、尾形光琳の代表作。六曲一双屏風

屏風図はとても大きいので、写真や画像と実物の印象が大きく異なることが多いのですが、この作品もそのようでした。
画像で見るよりも写実というよりは抽象的な表現であることと、図の金箔に厚みがありそのことによる重厚感が”荘厳”ともいえる空間を演出しているように見えました。
しかし、色彩の鮮やかさとリズミカルな構図がたのしくて退屈さはありません。いつまでも目を楽しませてくれる作品だと思います。

屏風の画像は撮れないけど、庭は撮影オッケーでした。
雨天だったので色が鮮やかで、瑞々しい印象。
東京の一等地にこんな大きな庭園が?と思うほど広くて驚きました。

もみじの赤と燕子花の紫が重なり合って見える場所

今年は庭の燕子花が咲くのが早く、5月になる前にほぼ満開だそう。

雨に濡れて、さらに色の鮮やかさが引き立っていて心が潤されました。

雨天の平日であったので、茶席も利用させていただけ幸運でした。
参加者の半数以上は外国のかたで、先生も外国人のかたでした。(バイリンガル茶席)

赤坂塩野 顔佳花=燕子花の別称

当日の茶菓は赤坂塩野の顔桂花という、燕子花をイメージした生菓子でした。可愛らしい形が楽しく、また肌理の細かな舌触りと上品な甘さが口の中にひろがり、その後にいただく抹茶とあいまって目も舌も脳もいやされました。

茶室 床の間が畳張りなの何故なのだろう?

今年はお正月だけ東京都国立博物館で展示される国宝 松林図屏風絵(長谷川等伯作)も見られた幸運な年になりました。

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