見出し画像

これからのオフィス不動産のあり方

どうもACALL(アコール)の長沼斉寿です。

一昨日、2ヶ月ぶりにオフィスに行きました。ひさびさに行くと妙に愛着が湧きますね。「エントランスええ感じやん」とか。「周りの街並みキレイやなあ」とか。

ここしばらくずっとリモートワークをしていたときは、物理的に移動していないのに、なんとも言えない疲労感がありましたが、昨日は朝から晩までオフィスで仕事しましたが、なぜか疲れない。

間の移動時間や、異なる空間移動がよい気分転換をもたらしてくれたのだと思います。

オフィスの価値って何なのか?

オフィスの価値について端的に表現されているツイートを拝見しました。


「仕事のためだけに最適化された専用の快適空間。それがオフィス」

とは、なんとも的を射た表現で秀逸です。

オフィスのあり方が今後どうなるのか。メディアでもいくつか記事が出てきています。

ITスタートアップなどを中心に身軽な企業では、オフィス解約の動きも出てきております。ゲームのルールが変わろうとしています。


ACALLとしては、昨年末にthe bridgeさんにて、「変化」を恐れないフレキシブルなオフィスのありかたについて発信しましたが、この動きがまさに本格的に加速化してきている状況です。


そして、フレキシブルなオフィスを実現するために、スペースマーケットさんなどのスペースマッチングサービスを活用することで、フレキシブルなオフィスへ転換していく流れもみられます。


オフィスと自宅の「ベストミックス型ワークスタイル」

上記の記事にもありますが、オフィスに求める価値を見直す動きがすでに出てきており、大方の見立てでは、オフィスはより一層「コミュニケーション創発の場」としての価値が求められてきそうです。つまりソロワークでできることはリモートワークで行い、複数のメンバーでコラボレーションするとき、オフィスの場はその独自の価値をもつという、ベストミックス型ワークスタイルのコンテキストです。


ワークスタイルの「5W1H」

ベストミックス型のワークスタイルを実現するにあたっては、5W1Hでワークスタイルを共有する仕組みが必要と思います。これはサイボウズさんやミラティブさんがすでに実践されています。ACALLでも、次の日に、はたらく場と時間について、各自が前日までに宣言共有する制度を設けております。

サイボウズの「働き方宣言制度」


ミラティブ流「デクレア制度」

ワークスタイルの「緩衝材」

ベストミックス型ワークスタイルを実践するには、たとえば、はたらく場所がオフィスと自宅の2パターンであるとき、人間と場所の関係が1:1の関係から1:2の関係になります。この2つの場所のもつ特性が同じであれば特に人間にとって問題ないですが、みなさんも実践されてお気付きの通り、明らかに、オフィスと自宅のもつ空間の特性が違うため、仕事を円滑に進めるために、そして人間にストレスがかからないようにするためには、人間と場所の間をとりもつ緩衝材が必要になってくると思います。

以下のようなイメージです。

画像2


ワークスタイルの「プロトコル」

一般的なケースで考えると、仕事は複数のメンバーで行いますので、上記の人間の数は増えます。また場所についても、オフィスと自宅の間の中間ポジションとして、サテライトオフィス、シェアオフィスがありますし、今後VR空間が浸透して、VRオフィスに出社するケースもあることから、これらの関係性を一般化していくと、人間とはたらく場所の関係性は、n:Nの関係になります。

この緩衝材ですが、人間とハードウェア(スペース)を取り持つものなので必然的にソフトウェアであることが妥当ですが、重要なポイントとしては、各スペースとのインターフェイスの部分が現在進行系でデジタル化途上であるといった点です。上述のベストミックス型ワークスタイルを実現するためには、上記の事例のように、複数メンバー間で融通しあうプロトコルが必要になります。

画像2

なぜなら、専用オフィスだけと違って、それ以外の空間は、必ずしもその当事者にとって最適化されているとは限らないため、他人同士が融通しあえるプロトコルを決めておかないと、はたらく人間にとって、不快な空間になってしまうからです。


ところで、先日会社のメッセージも記載したのですが、


たとえば電車は人間が作った素晴らしい文明の力です。電車によって私たちは快適に移動することができるようになりました。ワクワクする楽しい旅行にも簡単に行けるようになりました。しかし、毎朝決められた同時刻に一斉に多くの人間が電車を使うという「プロトコル」が、人間自ら電車を非人間的な空間に変えてしまったのです。

「満員通勤電車」は誰も望んでいない空間ですが、他人同士が共通合意としての5W1Hを融通し合うプロトコルを見つけられていないから発生します。

また、これまでの経験から言える別の事例としては、「オフィスの会議室が予約でいつも埋まっているけど、実際は使われていない」といったカラ予約問題も、たとえば「◯分経っても誰も入室してなかったら予約リリースしますよ」といった社内のプロトコルがないから発生します。

withコロナにおいては、三密を防ぐためにも、ワークスタイル・プロトコルを整備することは、特に重要な要素だと思います。

オフィス、シェアオフィス、自宅以外に、商業施設やホテルをワークスペースに転換する動きも今後出てきそうですが、それらの多様なスペースに、多様な人が、n対Nの関係で快適に利用できるようにしていくことが求められております。

オフィス不動産のソフトウェア化

元々、不動産はデジタル化が遅れているといわれております。不動産ビル計画は、数年前から計画されることが多く、動きの早い最新のテクノロジーを適用しづらいということもあるのかもしれません。

さらに、コロナの環境変化が輪をかけて、大きなパラダイムシフトを生んでいるので、人間の行動変化に対して機動的に立ち回ることができるかどうかは、戦略上大きな優劣を生むと思われます。

機動的に立ち回るためには、人間の動きに機敏に変化することができるデジタルインターフェイスを持っているかどうかであって、それはオフィス不動産のデジタル化にほかなりません。

リモートワークとのベストミックスを実現する上で、オフィス不動産のデジタル化を早急に実現し、新しい時代の人間のワークスタイル・プロトコルに合致した空間をつくっていく必要があります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?