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石垣に宿る魅力

夏の暑さが過ぎようとする頃、仕事でお世話になっている人から電話がありました。

「今度、一緒に唐津に出かけよう。オレの地元なんだよ。名護屋城跡にも行きたい。ガイドさんの話が面白いから、君にも聞かせたいんだ。」

日程を調整して、小旅行に行けたのが9月半ば。
お目当てのガイドさんに案内を頼んで、名護屋城跡を散策しました。

天守閣は現存しておらず、広大な敷地に残っているのは石垣や石段。春には美しい桜が咲き誇っているそうですが、秋は少しさびしい雰囲気。でも、桜を見ていたら知らずに通り過ぎてしまうような石垣にも、そう築かれている理由がちゃんとあります。ガイドさんの解説が、そこにあるものに命を吹き込んでくれたような感じがしました。

一番印象に残ったのは、帰り際にぽろりと話されていたこと。

ガイドさん曰く、一番オススメの時期は冬だそうです。
説明の中で冬場の強い風のことも話されていたので、その風を感じるためかと尋ねたところ、そうではないと。

「冬になったら、場内の木から葉が落ちて、草が枯れますでしょう。そうすると、石垣が何のじゃまもなく一番きれいに見えるんです。桜の時期がきれいですねとおっしゃる方もいますが、私はその石垣を見てもらいたい。
石垣の美しさを見て、はじめて本当の名護屋城跡の魅力が分かるんですよ。」

気持ちのこもった言葉が、心に響きました。ここが大好きなんだというのがストレートに伝わります。

たくさんの人の力で積み上げられて、大きな城を支える石垣。
何百年の時を超えて、足下から力を注いでくれているのかもしれません。

- 2014年9月の投稿を再編集して掲載しました -

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