歴史と経済4〜コンビニ〜

コンビニはとにかく何でも揃っていて、24時間空いているというところが魅力である。

今や、都市から地方に至るまでコンビニは欠かせない存在となった。
コンビニが近くにあるとなぜか、安心する。
それは、日常生活で必要なものが大抵、購入できる点や銀行や宅配サービスなどで外部機関とのネットワークを構築していることも大きい。

コンビニはなぜ、ここまで隆盛したのか。
それは、徹底的な流通・販売の合理化がなされているからだろう。

消費者が何を望んで、何が購入されているのかという購入者情報が収集され、瞬時に商品の供給に反映される。

その結果、常に消費者が求める商品が店の棚に陳列されることになる。
流行に乗った目新しい商品や最新の雑誌、美味しいスイーツも手軽に購入できる。
しかも、欲しい時にいつでも、である。

これは時間とお金を合理的に使いたい現代人のニーズにマッチしている。

コンビニは誰にとっても絶対安泰な存在とさえ思えてくる。

しかし、時代は移り変わる。
日本は少子高齢化時代を迎え、若者をアルバイトとして雇うことに苦慮するようになった。
これは、24時間営業の人員確保の大きな大きな足かせになる。

コンビニの売り上げを支えている要素の一つに、「いつ行ってもお店が空いている」ということがあるという。
現に、時短営業へと舵を切り、雇用人員に合わせた経営の合理化を始めているコンビニもある。

24時間営業の前提が崩されるとなると、戦略の転換が必要となる。
今はまだ、コンビニが衰退していくことはなど想像できない。
それは、かつて商店街がシャッター街に変わってしまうことなど、誰も想像できなかったことと似ている。

しかし、コンビニ業界は新しい発想を持って経営展開していかないと、経営の持続は手詰まりになるだろう。

現に、24時間営業の見直しは次に向けて動き出しのサインとも受け取れる。
コンビニはただのコンビニではなくなった。
たとえば、スーパー部門と業態間のシナジーを発揮することで、打開を図るコンビニもある。

具体的には、プライベートブランドを中核とする低価格商品が開発され、味も悪くない。

時代の変遷を感じつつも、これからコンビニがどんな産業へと変化していくのかに注目していきたい。

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