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組織は人なり

本気の空間というのは、面白い。
人がリアルに、真剣に勝負する場所は参加するだけで、刺激がある。
時を忘れさせ、自分もその空間の一部になっているように感じる。
そして、多くの人がリソースを注ぐに値すると判断するため、ますますそこには価値が生まれる。
こうして、構造化されたチームは成長を前提に強くなっていく。
押しも押されぬ力を獲得し始める。


それは、裏を返せば、一人ではどうしようもないほどに限界があるということの証左でもある。
メンバーがハマっていくような仕組みをいかに生み出すか。
多くの人にある種の正しさを直感させ、自律的に動かすような仕組みを生み出すことが重要だ。


大英帝国はさまざまな国際公共財を提供したとされる。
国際公共財とはただ乗りできて、みんなが使える経済的便宜だと言っていいだろう。
それは、当時で言えば英語であったり、海底通信ケーブルであったり、金融インフラであったりが該当する。
これらは、まず無償で使えるという点が重要であり、世界中の人と繋がることができるという意味で便利でもある。
だからこそ、みんなが使うのだ。
しかし、これで最終的に得をするのは、誰だろうか。
それは、全ての情報・言語・お金がどこに最終的に到着するのかを見れば、わかるだろう。
当時で言えば、それはロンドン・シティということになる。


この覇権国家の構造は今でも、当てはまる。
私たちは分からないことがあると、Googleで検索する。
これは、基本的には無償で行うことができ、相応の知識を獲得できる点で非常に利便性が高い。
しかし、やはり最終的に誰が最も得をするかというと、私たちの検索情報を手に入れるGoogleではないだろうか。
ここから、インフルエンザの検索数が増えてくれば、その流行を医療機関よりも早くキャッチすることもできるだろう。


ある国家の覇権性を肯定することが、これからの時代に求められるかはさておき、成長する組織にこうした構造性が見出せるのは否定できないのではないか。
つまりは、便利で面白いからこそ、みんなが参加するし、みんなが集まってくるからこそ、組織は大きくなっていく。
そして、そこにはいつも人間の意図が働いている。
参考文献:「イギリス帝国の歴史 アジアから考える」(秋田茂)より

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