楽しい勉強11〜手応え〜

以前、何とも思わなかったことが気になるようになる。
反応すらできなかったものが、気に止まるようになる。
この仕組みはどうなっているのだろう。

それは、知識や経験が為せる技ではないだろうか。
日本中の地名や産業に精通してくると、それ以降知らない地名や意外な特産物と出会った時に、気持ち悪くなって調べないと気が済まなくなってくる。
「こんな所に、また一つ新しい発見があった」という驚きがある。
調べるという手間と時間がかかる代わりに、人生の出会いを楽しめる。

たとえば、旅行に出かけたときの観光名所を想像してみよう。
1枚の絵画、1つの遺産、1棟の家屋がガイドの解説によって、こうも煌びやかに見えるようになるのはなぜだろうか。
その由緒や歴史を知るだけで、その時の絵画、画期的な遺産、伝統がを残る家屋を味わうことができるのだ。
たった10分前には、何も感じず、見るからに何の変哲もない絵画や、建物だったとしても。

この違いは思いの外大きいものだ。
人生を楽しみ、充実した時間でいっぱいにするために、勉強は重要な役割を果たす。

そして、自分の成長を実感できることが大きい。
いつもと同じようにランニングをしていても、気にも留めなかった道端の地蔵に足が止まる瞬間が訪れることになる。
途中の神社に入ってみることになるかもしれない。

1年前に決してやらなかったことを、やってみようと思う自分と出会い、確かな成長を実感することになる。
これが勉強の「手応え」だ。
人にものを教えていると、最も重要かつ困難なことが「人の心に火をつけること」だと分かってくる。
人が興味を抱くプロセスを熟知し、継続的に働きかけないと、人のなかに興味は生まれないのだ。

指導者としても、人生の舵取り役としても日々勉強を積み重ね、知識の蓄積を楽しく行っていきたいものだ。

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