マットトレーニング Go to Mat
Karen Pryor Academy ライブエピソード#4で出題されたトレーニングチャレンジの課題です。マット、もしくは犬ベッドへ行く練習をしてみましょう。
もし、すでにマットや犬ベッドに行くことが出来るのなら、目的地に行く前にしなければいけない課題を一つ加えてみましょう。例えば、
●目的地(マットまたはベッド)を遠くに設定
●目的地までに障害物を設置
基本はターゲットトレーニング
Go to Mat(マットトレーニング)は、相反する行動として使うことがでる最も人気のある方法かもしれません。落ち着きなく動き回ってしまう時「待て」と命令して動きを止めようとするより、マットで座っているという行動を教えることで犬が望ましい行動をとり易くします。
Go to Matの基本はターゲットトレーニングです。ご存知のように、ターゲットとは体の一部を目標物に接触させる行動。マットトレーニングでは、マットに身体を接触させることから始めます。身体の一部(足、お尻)から始め、接触範囲・時間を伸ばしていき、最終的にマットの上でリラックス出来るようになるのが理想です。
望ましい行動に焦点を
犬が望ましくない行動を取った時、その行動をが出ないように対策を練るのが一般的でしょう。しかし、望ましくない行動に焦点を当ててしまうと、その行動が出ないように嫌悪刺激(否定的な言葉や態度、痛みを伴う罰)を使わざるを得なくなります。そこでケン・ラミレスは、望ましくない行動に焦点を当てるのではなく、相反する”望ましい行動”を教えることで望ましくない行動を減らすことを提案しています。
例えば、食事をしているとき犬が食卓に接近しすぎる時、その行動をやめさせることに力を注ぐのではなく、食卓から少し離れたところにカフェマットまたは犬ベッドを設置し、食事が始まったらそこに行く事を教えます。もちろんしっかりその望ましい行動を有効な強化子を使って強化していきましょう。
新たな課題を加えてみる
すでにキュー(合図)でマットに行くことが出来る犬には、新たな行動を加えてチャレンジしてみましょう。
▶︎ 少し遠くにマットを置いてみる
▶︎ 何か障害物を乗り越えてマットまで行く
▶︎ 飼い主から見えないところにマットを設置
これらの例に縛られず、自由にアイデアを出してみることをお勧めします。
課題を加える時の注意点
まず最終目的であるマットに座る事が確実にできることを確かめてください。その行動がまだ完成していないうちに新しい課題(行動)を加えてしまうと、成功率が低くなります。どんなチャレンジをする時も、成功率はできるだけ高く(できれば100%)なるように設定します。
犬が迷ってしまったり、正解を出せなくなった時は、必ず難易度を下げて挑戦してください。たとえ正解を出していても、難易度を下げての反復練習は行動が定着しマッスルメモリー(考えずとも身体が覚えている)になります。
最も大事な観察項目
どんなことにチャレンジするにしても、一番大事なのは、
1. 犬が楽しんでいるか?
2. 犬が集中しているか?
トレーニングをしている時は、かならずこの2点をしっかり観察してください。たとえ目標に到達できなくても、その過程が楽しくて集中できるものであるならば、トレーニングを続行できるし、最終的に目標に到達することができます。