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Q&A エンリッチメントについて

Q1. 日本では、トレーナーを頼るのは、実際に困っている人が圧倒的に多いと思います。(犬が困っていても、自分が困っていなければ、頼らない)
実際に、飼育環境などを見られた上で、アドバイスにより犬も飼い主もこう変わったというような犬のエンリッチメント事例があれば教えてください。

A 一緒に暮らすのに困った場合、ソリューションとしてエンリッチメントの提案をする場合、飼い主が簡単にできる事を念頭に置いて提案します。例えば、
 ▶散歩時間の追加
 ▶コング等を使ったエンリッチメント
 ▶ケージサイズの再検討
複雑な設定を必要とするものや、着手しにくいものはいくら犬にとって良いものと思えても、持続が難しく効果が見られないからです。

エンリッチメントの提案は様々な形でできます。
 ▶知育玩具の使用
 ▶食事の与え方
 ▶選択ができるスペース
 ▶様々な遊びの提案(安全であることは必須)

大事なのは、そのエンリッチメントが動物が望むものであること。それは行動が増えたか否かで確認することができます。

Q2. 子犬はペットショップでケージとセット販売されて、(人が)遊ばないとき以外はケージに入れっぱなしにされている事が多いでしょう。犬をフリーで飼育するにあたっての手順を事例を挙げて教えてください。また、フリーにした飼い主さんはいつ、どういったきっかけでケージをやめるのかも知りたいです。

A. 新しく家庭に迎え入れた犬は、子犬成犬限らず、生活環境に慣れるまでは目が行き届かない時に自由にどこにでも行ける状態にすることは、安全確保の面からお勧めできません。粗相をしてしまう、モノを壊していしまう等の失敗体験も出来るだけしないように管理するのに、ケージやサークルに入れておくのは一番一般的な方法でしょう。

しかし、ケージやサークルを管理の為の閉じ込める場所ではなく、安心して過ごせる場所としてのトレーニングも初めからしておくとよいかもしれません。フリーで過ごすようになっても、ケージやサークルに入って過ごすか、部屋で過ごすかが犬の選択肢をなり、これも一つのエンリッチメントとなるからです。

日本の住宅事情から、十分な大きさのサークルを設置出来ない場合もあります。一時的な飼育場所として使い、出来るだけ早くサークルを撤去したいと考える飼い主さんも多いと思います。いずれにせよ、犬をお迎えしてしばらくは、沢山の時間を過ごしトレーニングも初め、犬をよく観察し知るところから始まるのですが、犬が活発な時間、排泄をするタイミング、寝ている時間等の毎日の行動がしっかり把握できてかつ本当に短いお留守番練習から始めるのがいいでしょう。そしてお留守番が楽しめる仕掛けも考えてみるといいかもしれません。


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