M-1 グランプリ2021評(速報) ~関西人弁護士のお笑い日記~
第1 自己紹介的なやつ
初めまして。関西出身の弁護士です。
昔からお笑い好きで、M-1は2001年から毎年欠かさず見ています。劇場で見たことは数える程(そういった意味では熱狂的なお笑いファンではない)ですが、学生時代からツッコミとして誇り(?)をもって友人達との会話という鍛錬に励み、おかげさまでリアルで会った人からは「面白いやつ」と言っていただける感じになりました。
といってもボケの面白い、クリエイティブな人(ハガキ職人のような)ではなく、人のボケにツッコんだり、MCとして人のリアクションに反応するような、「相手ありきの笑い」が得意なタイプです。学生時代は「5人くらいのボケは同時にツッコめるんちゃうか」とか言われてました(謎自慢)
M-1はもう自分にとっての青春でしかなく、この日は無駄にそわそわしますwそして、毎年リアタイ視聴して終わった後に3周くらいするっていう(最近はプラス決勝進出者の打ち上げ配信を見るっていうw)
そんな私なりの視点、特に弁護士という職業柄、コミュニケーションの面白かったところをなるべく(陳腐化しないように)言語化しながら、今年のM-1グランプリ2021をつらつらツッコミなど入れて論評してみたいと思います。
第2 オープニング~ネタ披露まで(箇条書き)
・今年の「俺たちが一番面白い」枠はゆにばーすの川瀬名人!顔すごw
・やっぱりパイレーツオブカリビアンの曲はテンションあがる!
・しかし「もも」の発音「も(→)も(↗)」っておかしくね?「も(→)も(↘)」やろw
・野田クリの「漫才王でーす」はただの事実になってもてるがなw
・審査員の立ちトークいる?もうすぐ座ってもらった方がいいのでは…引っ張りたいのかなぁ。しかしThe Wとばっちりくそわろた。
・センター志らくさんの配置おもろいなw誰やねん考えたのw
第3 決勝1st round
1 モグライダー
モグライダーは三四郎のANNで知り、その後ちょいちょいネタ動画を見てたんですが、なかなか「あたおか」(皆さんご存じ見取り図盛山さん開発のナイスワード)なネタを披露するな、という印象だったのですが、今年の3回戦ネタとかは「あたおか」に適度なしゃべくりを混ぜて凄く見やすくなっていました。
そんなこともあり、出順次第ではいいとこいくんじゃないかと思って大穴予想してました。
そしてネタ披露。
まずともしげさんの「美川憲一さんって、気の毒ですよね」の入りで観客にいい感じに興味を持たせる。芝さんのアンタ柴田さんを彷彿とさせるツッコミが次々と気持ちよく入り、その中でともしげさんが「歌いだし直前に星座と性別をあてずっぽうで言われて外した輩がいる」というともすると納得感のある論理を展開してぐいぐい世界観に引き込む。
おかしな、でも一個一個はまともにも聞こえるともしげさんの話を芝さんが鋭くツッコむ。そのくせ美川憲一のマネちょっとして口ゆがませながら歌ってあげてるところが面白おかしくすぎて大笑いを生む。好循環。
歌ネタってどうしても間伸びして笑いが鈍る傾向にあるのですが(ニューヨークの2019年決勝ネタは記憶に新しいはず)、芝さんがまともな振りして「あたおか」な感じのおかげで見れる。ともしげさんが失敗するたびに無駄に適切なアドバイスして付き合ってあげてるしww
展開自体はトムブラウンに凄く似てるんやけど、あれと違って審査員にも広く受けたのは2人のしゃべくりが適度にミックスされてて、笑うタイミングが分かりやすいというか見やすいからだと思う。
最後の成功前の芝さんの檄の入れ方、成功した後の肩組んで歌う時のちょっと恥じらってる感じとかもう最高すぎる!
点数予想は600点ちょっと(平均87点くらい)を想定していましたが、実際は637点。想像以上に跳ねたことにビックリ!正統派じゃないだけに全く読めんかった…しかし最後まで見た後だと確かに納得感は結構ある。でも順番次第では650点くらいは出たんちゃうかなー。
審査員評の中で松ちゃんの「2人とも声がいい」はホンマにそう思う。ミルクボーイや野田クリ、麒麟川島さんしかり、いい声はやっぱり聞こえ良いんよなぁ。
2 ランジャタイ
もうこの笑神籤の時点で、この大会は荒れることが確定したよね…「あたおか」コンビが連続とかwwこのコンビだけは私も理解不能(面白くないとかではなく、やばすぎて笑いきれない方が正しい)なんすよね…
ネタは安心と信頼の(!?)あたおかネタ。国崎さんがいつも通り暴走し伊藤さんがハイトーンで解説したり指摘したりするといういつも通りの展開ww
でもちゃんと国崎さん得意のMJが出たり、将棋ロボが両腕になったりと盛り上がる展開もあって面白かったww結果最下位やけど、敗退決定時のオール阪神巨人師匠のパネルくそわろたし、爪痕は相当残したはず!でもこの順番のおかげで審査員の採点もブレたように思うし、私の予想もことごとく外れていくのです…(言い訳)
何より伊藤さんの赤い靴が超絶オシャレでした(∩´∀`)∩あと富澤さんの「決勝だぞお前ら」がツボすぎたwww
ちなみに本ネタは9分半あったらしい…怖くてまだ見てないですw
3 ゆにばーす
2017年決勝のトップバッターでのハネ具合を見て以来ひそかに応援しているゆにばーす。私的には男女ネタも結構取扱いに難しい(性的なものを忌避する層がいたり、展開が結構読めたりするから)と思っているので、男女ネタ以外の方が成功するんちゃうかなと思っていたのですが、見事に裏切って来ました。しかも時事ネタも入れちゃうっていう。
男女ネタでうまくいった理由ははらちゃんが川瀬名人の熱量に負けない熱量でボケ続けたこと、あと声や体型込みでコミカルさがあるのも性的なネタやのに性的な感じが薄まって見やすかったかなーと。
川瀬名人が2人の喧嘩が白熱した後に外を向いて地面けるのも、冷静になって客を置き去りにしない(客に共感させる)演出としてよかったな。あたおか2組の後だから点数伸びなかったといっても言い過ぎではないような。
ちなみに時事ネタの難しさは私のバイブル、塙さんの「言い訳」に以下のように書かれています。
ゆにばーすの今回のネタでもコロナに触れていましたが、かるーく触れる程度で毒抜きというか毒を意識させなかったのがよかったのかも知れません。取扱いようによっては炎上する話題なのに、さらっとしたおかげでやり過ごした感じ。
4 敗者復活組(ハライチ)
まず敗者復活システムの選出方式はやっぱり昔に戻そうやー人気投票になってるって(既にみんな言ってるけど…)M1はやっぱりネタが面白いかどうかが一番大事なのであって、ここ最近は毎年モヤる…
特に男性ブランコの敗者復活戦ネタは相当に面白かったので(3回戦のネタの改良版)、知名度&ラストイヤーブーストのハライチに屈した感。ハライチのネタも面白かったけど、中盤以降の展開にもうひと盛り上がりがなかったんよなぁ…
ちなみに男性ブランコのネタ。全治癒wwwwww
男性ブランコのすばらしさはまた別記事で書こうかなと思ってます。
そしてハライチのネタ。まずびっくりしたのが「敗者復活ネタと違う!!」ここにラストイヤーの矜持を見た気がしました。そして序盤の盛り上がり(岩井さんがブチ切れる(一回目))まで最高の流れ…!!
しかししかし、やはり敗者復活ネタと同様に中盤以降の展開が盛り上がりに欠ける印象は拭えず…結果やっぱり点数は伸びず。しかし人気も地位も手に入れたハライチがチャレンジャーとして挑んだことは本当にかっこいい。上沼さんの言いたいこと(点数はともかく)分かるぜ。
5 真空ジェシカ
昨年の2回戦の商店街で度肝を抜かれた私。それ以来のファンでラジオも超絶面白い(めっちゃおすすめです!ラジ父)。彼らの言う「主人公感」を出してほしいと願っておりました!
まず序盤の「つみんちゅ」でいい感じに掴み隣町の地図で大き目の笑い。駒澤大学のタスキまでいい感じ。
ただこの後のジャイロ回転でちょっと笑いが萎んだかな?川尻のくだりでちょっと長くなった印象。でもその後の2進法やミッキーでまたも取り返す。ハンドサインのくだりもちょっと人を選んだ感があるかな…という感じで観客の笑いは大きかったけど結果として審査員の評価は伸びきらなかった印象。
見え方は全然違うけど、タイプとしては実は霜降り明星に似ていて、「単体では意味が分からないボケに、ツッコミが足されることで1+1を2以上にする」スタイルなんよなぁ。そこで違いとしてはボケの意味の分からなさがちょっと難しいのが、審査員の点が入りきらなかった理由かなーと思ったり。霜降りの場合はせいや氏単体の動きだけで、ツッコミがなくても十分面白い(そこに粗品氏のツッコミが足されるというつよつよコンビ)のだけれど、上沼さんの「自分がついていってないのがもどかしい」というのはやっぱり勿体なかったな…
でも真空ジェシカはもともと2年計画ってラジオで言ってたから!来年勝てるぜ!!
6 オズワルド
去年の決勝ネタで、一昨年からの成長を見て感動しながらも審査員の採点で困惑を隠せなかったオズワルド(と私)。それでも今年また勝ち上がってきた圧倒的優勝候補として応援していました。
このネタはオズワルドの公式チャンネルでも見たことあるやつだったけれど、若干改良していてそれがバシバシうまくいっていた印象。伊藤さんのツッコミは相変わらず我々の予想の2段階くらい上のワードでいくし、何よりも畠中さんのボケも明らかにうまくなってる。小林で当たったときの「みーつけた(笑顔)」とかいい感じにサイコパス出てて最高!
そして構成自体も最初はスローなのにだんだんとテンポも上がり、声もいい感じにクレッシェンド。私もこっちの方向に舵切っていいと思うぞー!ナイス―!(とテレビ見ながら叫んでましたw)
結果納得の最高得点。Twitterでも660点越えを予想してドンピシャに当たったので私もご満悦w
7 ロングコートダディ
大好きロコディ。独特の空気感とセンスで面白すぎる堂前さんに天然キャラ際立つ兎さん。めっちゃ好きなんやけど、彼らはまだ全国区ではないのでキャラが浸透していないのでそこまで高得点は取れないかなと思っていましたが…
結果はもう完全に土下座!!すんませんでした!!!くそおもろい!!
独特の世界観のコントながら、設定自体は単純なおかげで客もついていけるし、何より兎さんのリアクションがまっすぐで人柄が伝わったのが最高に良かった。ワニ→肉うどんの流れとかもう読めてたのに爆笑www堂前さんのキャラもあって、ボケながらニヤけるのも面白いって言うのがずる過ぎる…(ニューヨークの屋敷さん怒るやろなw)
みんな、アマプラで座王を見ような!!堂前さんの面白さがこれでもかと詰まってるぜ!!!あと肉うどん食べような!!!
8 錦鯉
去年の決勝ネタは実はあまり好きではありませんでした。理由としては
・コンビ同士が全く目を合わせないネタ構成
・まさのりさんのボケのテンポが若干遅い
ここらへんでした。
しかししかし、今年はまさのりさんが終盤に向けてボケを畳みかけるし、去年と同じくまさのりさんが一人で突っ走る展開なんだけれど、よく見ると実質的に渡辺さんとの掛け合いになっていて目線もたまに合っている(ように見える)し笑いが増幅しやすい流れになっていたのも大きかった。
最後は絶対まさのりさんネタ飛ばしたと思うけど…動画の4分50秒~5分5秒あたり。渡辺さんが異変に気付いてニヤッとしたあたり違和感が凄いw
点数は堂々の650点越え。いやー昨年からの成長ぶりに私も心震えていました。凄いわ。塙さんの「ボケ単体で笑いが成立する」という評価は私も納得感ありました。確かに最近の流れではあまりない。だからこそ高評価をとれたのかもしれない。古き良きスタイル故に差別化できたのかもしれない。
9 インディアンス
インディアンスは2人のキャラは大好きなのですがどうしても優勝候補に挙げるのを躊躇った自分。その理由は「ツッコミのきむさんが田渕さんを見すぎて客を置き去りにする時がある」「きむさんのツッコミ前に入る一呼吸がテンポをもっちゃりさせる」でした。
どんだけツッコミに厳しいんや自分は…
これとか見てもらえるとちょっと分かってもらえるかな?そんなこともあって優勝する未来は見えなかった自分がいました…
しかししかししかし、こちらも錦鯉ばりの改善!横を向く癖は抜けないけもののツッコミのテンポ悪化はほぼなく、ボケの手数とテンポを殺さないツッコミができていたように思います。最後の盛り上がりで終わらせる構成も完璧だったと思う。
でもやっぱりツッコミは捻りがない(単なる誤りの指摘だけ)んよなぁ…(いちゃもんファイター)
10 もも
4年目で決勝進出。明らかに優秀!去年のネタも面白かったけれど、今年の予選で見せた「●●顔」のフォーマットが決勝でされたら絶対流行るやろなぁと思っていました…
そして決勝でもやはり「●●顔」フォーマット。いい感じで笑いを重ねてはいったのですが、私が想定していたよりは一つ一つの笑いが小さかった印象。なぜだろうと考えたのですが、相方の悪口を言い合うという構成がさほど客に刺さらなかったのかなーと思ったりしています。
このネタのコンセプトって実はミルクボーイと共通していると思って、要するに「第三者への悪口を笑いにする」のが基本なんすよね。ただ、ミルクボーイは直接的な悪口ではなく、オカンの記憶を辿るというふわっとした中で内海さんが柔らかく否定するという大枠だから聞きやすいというか不快感がなかったのかなと思います。
その一方、ももの場合は完全に相方への強い暴言(風の言い方)の中で第三者への悪口を展開するので、客からすると笑いの前に一瞬引いちゃった(東京の人ならなおさら)のかなーという見立て。
まぁ来年以降も絶対上がってくるので楽しみです!!!
第4 最終決戦
1 インディアンス
1組目はインディアンス。相変わらずの圧倒的なまでのボケの手数と疾走感で勝負。きむさんのツッコミはテンポに悪影響は与えていないけれど、やっぱりこのスタイルは各ネタが似ているように見えてしまい新鮮味はなかったかなーという印象。あとちょっと短かった??
2 錦鯉
次は錦鯉。こちらも1本目と同じくまさのりさん突っ走るパターン。
「森の中へ逃げ込んだ」でしっかり拍手笑い。その後もまさのりさんと渡辺さんが独立しているようでちゃんと掛け合いを展開し、最後暴走するまさのりさんをしっかり受け止める渡辺さん。1本目ほど爆発は少なかったけどうまくまとめた印象。まさのりさんネタとんだ様子もなかったしww
3 オズワルド
これはオズワルドのチャンネルで見たことがある「割り込み」ネタ。しかし…チャンネル動画よりも笑いが少ない。
見返してみると、ちょっと2人ともテンポが速い感じがある。伊藤さんもう少しゆっくり話していたのに、かなり早口で客をちょっと置き去りにした(笑いにくくした)のかもしれない…ひょっとすると笑いがあまり大きくないことに焦りだしたのかなぁ…終盤のシンクロも結構ずれて聞き取りにくかったし。ホンマに悔やまれますねこれは…
第5 結果発表~エンディング(箇条書き)
・村上さん、「体温40度ある」は笑えんぞww(ゆにばーすとの違い)
・やっぱり最終決戦の投票は全く読めない…
・渡辺さんのまさのりさんへの抱き付き方ちょっとおもろいww
・渡辺さんのアップ、ホンマに政治家にしか見えん…ww
・副賞授与の時の川瀬名人のリアクション好きすぎる
・塙さん、富澤さんの涙はこっちも泣くってばよ…
・と思ったら塙さんのモグライダーいじりwwww
第6 さいごに
本命不在と言われた今年も相当に面白かったです!!得点はインフレ気味な感はありますが、全組620点を下回っていないのは相当に凄いのでは?確かにがっつり滑ったコンビはいないしね。どの組も爪痕をそれなりに残した気がするしとても良かった。(おそらくオズワルドはめっちゃくちゃ悔しいやろうけど…)
でも、結局漫才は「掛け合い」と「間・テンポ」なんだという私の持論は今年もそう間違ってなかったのかなぁ!あたおか枠いっぱいいたけどww
さー今年はいっぱい予想外したので来年に向けてしっかり勉強(漫才鑑賞)します!!!!
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