長田区「三国志祭り」行ってきた2022

 神戸と言えばハーバーランドだとか、神戸牛だとか、異人館だとか、遠坂邸だとか間桐邸だとか冬木大橋だとか言峰教会の中庭だとか、南京町の中華街だとか、震災の慰霊公園だとかフラワーロードだとか、パッと思いつく限りでも、まぁ、色んなイメージがあると思っている。
 実際私もそれなりの頻度で通うというか通過していて、ザックリと一般的なイメージで書くなら「異国文化の溢れるモダンな街」といった感じなんじゃないかな……と、大阪人の私としては思っている。

 そういう訳で今回は神戸三宮からJRの電車に揺られること15分ほどで着く、長田区は新長田駅に行ってきた。
 ここでは11月になると「三国志祭り」という催しが開かれていて、毎年なんとなぁ~く行ってみたいなぁ行ってみたいなぁ~と思っている分際で当日のお昼くらいにTwitterで開催に気付いては「来年こそは……!!」なんて思ったりして数年、過ごしていたところだった。

 因みになぜ神戸市長田区が三国志とゆかりのある土地とされているかと言うと、全60巻の長編漫画「三国志」の作者でもある横山光輝先生にゆかりのある土地だからだね。なんか書きながら「(いや、60巻って今となってはそこまでスゲー長編って事でもないのか……?)」なんて思ったりもしたけれど、それは「ワンピース」とか「こち亀」とか「ゴルゴ13」とか「BLEACH」とかが特別ムチャクチャ長かったってだけの話です。
 考えてみればジャンプ漫画だけでも「ドラゴンボール」ですら42巻、「ダイの大冒険」で37巻、「シティハンター」で35巻、「スラムダンク」で31巻、「るろうに剣心」で28巻、「封神演義」で23巻、「幽☆遊☆白書」なんて19巻だよ……マジかよなんかもっと長かったイメージがあったけれど意外な事に19巻だよ……。


 とはいえ漫画の長期連載化が進んでいったのは「こち亀」や「ゴルゴ13」のような超ご長寿漫画を除けば1990年代くらいからだと思われるので、1971年~1987年までの16年間で60巻を描きあげた「三国志」が氏の代表的大長編漫画とされるのは時代を考えても疑う部分は少なく思える。
 ホラこんな事をつらつらと書いている内にどんどん時間が過ぎていってしまうし、なんかいつまで経っても本題にかかれない気がしてきたからそろそろ話を戻すよ。



本題に戻ってきたので真面目に写真を貼りはじめるよ。


 とにかく。
 神戸市長田区は横山光輝先生と縁が深く、それが証拠に鉄人28号の巨大モニュメントがドンと置いてあったりする。ところでコレは作中で描かれる鉄人28号の実寸大なのだろうか? と試しに調べてみたところ、神戸市長田区のページによると直立時設定18メートル、Wikipediaの鉄人28号の記事によると作中サイズは「太陽の使者」や「FX」で20メートル、「2004年版アニメ」では18メートルとあったので、ほぼ実寸大! と呼んでも差し支えないと考えられる。

 過日2022年11月6日、この日も巨匠ゆかりの地において鉄人28号が見守る中、「三国志祭り」は開催された訳である。アー長い前フリだった。



 「三国志祭り」は主に3つの商店街を跨って開催されており、鉄人28号のふもと(ふもと!)では「中国武術大会」と銘打ち中国武術の演舞を魏呉蜀の三国に因んで3チームに分け、観客がどの勢力の演舞が良かったかを投票する催しや、講談師の方による朗読、占い師の先生による奇門遁甲を用いた人物鑑定、三国志100問テスト(正史版/演技版で初級・中級があった)、果ては武者頑駄無ムシャガンダムのプラモを実際に組み立てられる三国志プラモデル教室など、こんな記事では書ききれない程の数の趣向を凝らした様々なブースが展開されている。
 どれも三国志に因んだ内容になっており、どうだこのコンテンツとしての幅の厚さ懐の広さよ……と無駄に誇らしい気持ちすら湧いてくるぞ。


京劇さながらのメリハリとキレのある演舞でした。
いつの間にか華容道を歩いていたらしい。
そうかと思ったら楼桑村を横切る事もできる。


 そうでなくとも商店街の至るところに横山光輝先生の描いた三国志の人物のイラストであったり、武人の像なんかが立っていたり、貴重な資料が展示されているギャラリーなんかもあるので、じっくり眺めながら歩いたのは実は今回が初めてだったのだけれど、それだけでもどんどんスマホのカメラで撮影してしまっていた。



ここだけ後漢末期GO

 あとポケモンGOのジムとかポケストップに「関羽雲長像」とか「魏武帝廟」とかあるのが個人的にムチャクチャ面白い。ここだけ中国大陸。


 着いたのがお昼過ぎの1時頃だったので恐らく一番の賑わっている時間帯は過ぎてしまったのだろうけれど、それでもやや肌寒い中で贔屓目なしに人はそれなりに集まっていたように思える。
 「ここに集まる人は老若男女問わずみんな三国志好きなのだよな
 という妙な一体感が感じられるのはやはりこういう生の催事ならではだなと思わされる。

 ところで私も三国志100問テスト(演技・中級)に挑戦してみたものの、正答率は7割程度と言ったところだった。意外と解けたなと思う反面、いや案外忘れてる部分もあったなとやや複雑な気持ちであるよ。クイズマジックアカデミーの三国志クイズなら相当上まで登れていた記憶があるのだけれど、あれももう15年ほど前、それも友人のカードだったかで1、2回遊んだ程度の事だったのでもはや過去の栄光に過ぎないのだなと。
 隣で問題を解いていたお父さんとお息子さんが二人で解答用紙を見ながらお互いの採点をしあっていたのが実に良かった。親子二代で三国志好きだなんて前世でどんな徳を積んだらそんなご家族に恵まれるんだ。

 あとは同行者に
 「キミはガンプラが好きなんだろう? 組み立てていかないのかい?」
 とプラモ教室前でねっとり煽られもしたのだけれど
 「私が組み立てる事でこの場に居る少年少女たちに『ガンプラの楽しさ』に触れる機会を一体分でも損なう事はしたくない……!(辛抱遠慮)
 と言ってがんばって回避した。
 ホントはちょっと馬超ガンダムバルバトスとか組み立てたかった。



顔つきと布の質感が好きである。


 あと今年は是非観に行きたいなと思っていたのがTwitterでもフォローしている三国志の人物画を描かれている雲才さんのライブドローイング。

 生憎とタイミングが合わず生描画こそお目にかかれなかったものの、しっかりと目に焼き付けたし何なら絵の隣に立って一緒に写真も撮った。
 正直これが観られただけでも来た甲斐が個人的にある。
 

 


 そんな感じで充実した一日になってしまった。
 来年もまた来たいけれど、世の中コロナ禍もあるので、何か自分の中で大きな「行きたい理由」が見出だせるかどうかなのかなとも思う。
 それでも一度は行ってみたかった催しだったので、満足。

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