フロム先生のおっしゃること
心理学者であり思想家のエーリッヒ・フロムは『愛するということ』『自由からの逃走』などを執筆。とっても深くて素晴らしい指摘が、胸に刺さりまくる方なのです。
リスペクトの気持ちとともに、今の私にとって重要と思われる内容を以下にまとめさせていただきます。
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<性格の構えによる分類(『人間における自由』)>
生産的構え:すべての人は生産性の能力を持っているということを前提に、自分から何かを発信し、それがどんどん価値を持ってくる生き方
非生産的:自分では何も生産せず、与えるのではなく、与えてもらうことばかり考えている
<非生産的構えの4分類>
受容的構え:容認的。マゾヒスト、服従的傾向。
搾取的構え:奪取的。力と巧妙さを使って、他者から利益を得ようとする。
貯蓄的構え:保存的。所有することだけが喜び。秩序や安全を重んじる保守的な性格。
市場的構え:交換的。資本主義の市場原理に従って、絶えず「交換」の原理に従う。
<構えによる対人関係、行動様式の違い>
生産的:愛と関係性。理性的、思いやり。
非生産的
受容的:マゾヒズム的、服従的
搾取的:サディズム的、支配的
→受容的と搾取的構えは共生的関係にある。
貯蓄的:破壊的、攻撃的
市場的:無関心、退行的
→貯蓄的・市場的構えは内向的。
愛は生産的生き方の前提条件。
本当の愛とは何かを知るために、まず間違った形の愛について知っておく。
愛を与える=自分の生命を与える。
生命とは、自分の中に息づいているもの。「自分の喜び、興味、理解、知識、ユーモア、悲しみなど、自分のなかに息づいているもののあらゆる表現」
<愛に必要な能動的性質>
配慮:相手の生命と成長を気にかける
尊重:相手も一人の人間として自分と平等に価値ある大切な存在であると認める
責任:相手の精神的な求めに応じる用意
理解(知):相手をよく知り、それによって自分自身を知る
<愛の技術習得のための前提条件>
規律、集中、忍耐
+
ナルシシズムの克服、信念と勇気、能動性
<資本主義を支えている原理と、愛の原理とは両立しえない>
人を愛することができるためには、人間はその最高の位置に立たなければならない。人間が経済という機械に奉仕するのではなく、経済機械が人間に奉仕しなければならない。たんに利益を分配するだけではなく、経験や仕事も分配できるようにならなければいけない。
人を愛するという社会的な本性と、社会的生活とが分離するのではなく、一体化するような、そんな社会をつくりあげなければならない。
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