私は東京オリンピック・パラリンピックは見ないことにする。

選手たちは出場するためにがんばってきていて、彼らの仕事を奪わないために知恵を絞って開催できるように応援したいという知人のSNSの投稿を見て、「いやいや(私は到底そう思えないな)」と思った。

1年前、延期してどう開催するか考えようという時期なら同意できたけど、1年間過ごしてきた開催2ヶ月前の今、もう賛成することはできない。

かと言って、やめるべきだと強く主張するつもりもない。

まず、主催者の一員らしい政府の対応や発信に対しての不満と不信が大きい。
それはオリパラに限らず、コロナ対策に限らず、この4年くらいの国会答弁も含めて。

何をやっているかの事実も、どういう方針なのかが情報として伝わってこない。
メディアが悪い?テレビ?新聞?ニュースサイト?ジャーナリストの記事?何を見ればいいのか。

そんなに伝える気がないなら好きにしてくれ、
こちらも好きにやるからという感じ。
これはコロナ禍で極まった感覚。

だから、オリンピックは見ない。
私の日常に、できる限り入れない。

そんな程度の抵抗で済ませられるのは、どちらになっても、私には特に影響がないと思っていられるからだろう。

残念ながら開催されて惨憺たる結果を招いても、
見事に開催されて世界から称賛されても、
中止になって莫大な補償金と使われない施設と無念さが残っても、
中止の英断で国内の状況が落ち着いても、

私の生活にはそこまでの影響がなさそうだから。
蚊帳の外から色々思ってるだけ。

いや、書いてみると、
それぞれの末路で万が一が起きた場合は影響度は違いそうなので、

【身近な人がコロナウイルスで亡くなったり後遺症に悩まされたりしていないし、経済状況も悪化していないという現状が続くのであれば】
という条件はつくかもしれない。


開催を応援している知人は「医療現場の本当の声を聞いてるのかな」と言って、オリパラ開催に賛同する医療従事者の声を挙げていた。

本当の声ってなんだよ…医療従事者の中にはオリパラ反対という人だっていて、それも本当の声だろうよ、と思うし、

仮に医療従事者の多数がオリパラ開催で元気をもらえたとして、
医療関係で言えば、コロナウイルスで治療も受けられず亡くなった方や、感染していなくても入院中の家族に面会できない人たち、そのまま亡くなった人の家族、
その他でも自粛と自助でがんばってきた人たちの
大半がオリパラで励まされると思っているんだろうか…?それが「本当の声」なの?


まぁ、私はそう思えないというだけだし、
オリパラに励まされるかどうかを軸に追求してもしかたないので一旦置いておくとして、

もう1つ私が気になっているのは、
長野オリンピックから20年が経って、その時に作られた施設の運営が厳しくなったり、商業施設の経営が破綻しているという
信州にいるからこそ触れるローカルニュース。

きちんとした数まで見れていないけど、その時の借入が経営を圧迫していたと聞くと、
オリンピックに合わせて張りきってデカい物を作っても20年で賞味期限なんだなと思う。
もちろん、続いてるものもあるだろうし、20年持てば十分と考えることもできる。

でも、経済が悪化し続けていると思われる、少なくとも20年前よりよくなっているとは言えない日本の今において、当時以上に持続可能性を維持するのが大変そうなもの、つまり20年以下でダメになりそうなものに対して、
一握りの選手への刹那的な感傷や経済効果への淡い期待で推進してお金を投じることってそんなに大切だろうか。。

海外からの観客は普通のオリンピックより確実に少ないし、社会の変化は早まってるし…

やばい、開催への疑問が膨らんできてしまった。

考えれば考えるほど、
スポーツ、医療体制、経済、どの蚊帳の中にも発言席を設けられていない私には「やらなくていーんじゃね?」としか思えなくなるので、やはりここは期間中は黙って、見ないで暮らすつもりだ。


でも、私は「現状の日本という国での開催は賛成できない」し、
「中止して立ち止まり、きちんと清算するのがいいと思う」ということは言っておこうと思う。

1年前の延期が立ち止まったことにならなかったのが残念だ。

なんのために、どうやるか。
今までいくら使ったのか。
止めることで/開催することで何を得て何を失うか。

そんなに簡単に片付く話ではないだろうけど、
そういう検討が各分野の専門家によって行われたのか。
検討の結果を選手や都民や国民に伝えようとしてきたのか。

私の知らないところではしっかり議論され、開催の意義や安全性がよく伝わっているのかもしれない。
だから、そういう世界でやればいいと思う。

今年の夏、私の世界ではオリンピックもパラリンピックも開催されない。去年と同じ。家族の帰省はできたらいいな。それだけ。

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