米国発前川のニュースレター
いつも私のニュースレターを読んで頂き有難うございます。
今週の写真はカリフォルニアの初夏の代表的な花、木?ジャカランダです。
夕方の写真なので、少し色がくすんで見えますが、鮮やかな紫色の花で
この花が咲くと毎年カリフォルニアに夏が来た、独立記念日はもう目の前と
うきうきした気分になります。
さて、6月17日のニュースレターをお送りします。
【株式・為替市場の動き】
今日のダウ工業株は朝方は下落、その後上昇で188.94ドル高の38,778.10ドルとなっています。ニューヨーク連銀製造業景況指数が改善していますが、未だに縮小圏にあり、株価にとってはよくも悪くも受け取れるニュースでした。明日の米国小売売上高の発表を期待している様です。 S&P500とナスダックは結局最高値更新で終わりました。
フィラデルフィア連銀のハーカー総裁の「年末までに1回の利下げが適切になるだろう、指標次第では2回の利下げもあり得る」との発言で市場に安堵感が広がり、株価は上昇に転じました。 米国10年国債の利回りが上昇気味なので、金価格が下落、為替は1ドル157.74前後で推移しています。日銀が9月頃の利上げ、国債買い入れ縮小などのニュースが流れていることがドル円相場に影響している様です。日本の金利が上がれば、日米金利差が縮小して、円高に動くと思われがちですが、市場はその様に反応していないようですね。消費の弱い日本が利上げでさらに消費が減退、また、円高になると世界に進出しているグローバル企業や輸出企業の円換算売上高が減少しますから、日本の景気にとってはマイナスと考えられ、日本のGDP減少に繋がれば、当然円安に動くでしょう。米国は円安がありがたく、今のところFRBの利下げが何時になるかは不透明なので、円高に振れてくるのは今しばらく後になりそうですね。
【不動産・住宅ローン金利動向】
今週の住宅ローン金利は先週月曜日に比べ若干の下落となっています。今この記事を書いている途中で金利が下がっているとの連額が来ています。
米国債の利回りが直接ローン金利の動向に影響するのですが、米国債の利回りが上がると米国債価格が下がり、ローン金利が上がります。
理屈では、インフレになると国債の利回りが上がり、インフレが低下すると下がります。また、国債が買われると利回りが下がります。多くの投資家が国債を買うと値段が上がります。ですから、じわじわとインフレ率が下がっているのでローン金利も下がって来ています。
インフレが再燃したなどのニュースが出ると、ローン金利が上がるのです。株価が下がると国債の利回りが下がることが多いです。大口の投資家は株、国債、金、マネーマーケットなどに分散して投資します。株価が今後下がると読めば、他の投資先に資金を移します。その為、株価が下がると国債の利回りが下がり、ローン金利が下がります。経済のデータが示している様に、じわじわと不景気が忍び寄って来ていますので、株価が何時下落するか?と考え始めた投資家は今価格が低いうちに国債を買おうと言う動きが始まっています。その為、これからは国債の利回りが下がり、ローン金利が下がる流れの中にいると考えられます。
米国の中古市場では在庫がじわじわ増えてきているものの、依然としてコロナ前と比べると35%弱少ないのが現状です。市場に出回っている購入物件が少ないことが住宅価格を高止まりさせている大きな要因なのですが、新築物件の在庫はここ数カ月の間に10年ぶりの高水準に増えています。新築物件の低迷、値引きが今後起こる可能性があります。 ローン金利の高止まりは、住宅購入希望者を躊躇させ、企業の借入金利の高止まりは、住宅メーカー、開発業者の建築費、在庫維持費に悪影響を与えます。 それ故、新築物件の売れ行きの不調は、在庫の積み上がり解消の為販売業者を在庫を掃かせる為の値引きに向かわせます。
この状況を考えれば、徐々に住宅価格の上昇は止まり、もし不景気入りが確定的になれば、(私は遅かれ早かれ不景気入りすると考えています。)
値下がりも期待できます。ただ、新築物件の建設が多い州、都市と少ない州でかなり事情が違いますので、購入、売却を考えるのはその街の状況を良く把握することが必要でしょう。
【経済の動き】
先週は、FRBが今年は利下げを見送るのではないか?との不安を打ち消してくれた経済指標が出ましたが、FRBのパウエル議長は今年1回は利下げすると発言したことから、わずか一回?市場は落胆し、米消費者物価指数(CPI)もインフレが徐々に収まっていることは確認できたものの、FRBの利下げを2回、3回へ向かわせるほどのデータではありませんでした。
FOMCでは2025年に4回の利下げと予想しています。13日に米生産者物価指数(PPI)が前月比で予想外に低下したことを受けて、今後インフレが低下してゆくとの見通しが市場に広がり株価は上昇に転じました。
このPPIは月末の個人消費支出(PCE)のデータに影響しますので、恐らくインフレ低下がさらに進むとみられるデータが出てくることが期待できます。しかし、いつもの疑問ですが、本当に金利は何時下がるのか? 実態を反映していないように思える雇用統計が明らかに悪化し、景気後退が鮮明なってからでは利下げの効果が出ないのではないか?と市場はいつも景気動向、経済の動きに注意を払っています。
FOMC後の発表の折、記者が雇用統計に関して、雇用が増えているのは、正社員が減り、パートタイムが増えていて、副業をするひとが増えており、一人でいくつもの職を持っているダブルカウント、トリプルカウントがあるのではないか?との質問にパウエル議長は渋い顔をして、その様なことがあるのは認識している旨の答弁をしていました。 インフレの抑制と雇用の安定がFRBの使命なので、インフレを抑制することに一生懸命になり雇用が失われると元も子もありませんから、FRBも早く利下げをしたいのだと思いますが、いろんな事情からパウエル議長とFOMCは動きません。EUは既に第一回目の利下げを行いました。 これまで、FRBに先立ち、EUが先行利下げをしたことはありませんでした。周りの企業経営者、会社勤めの社員、ベテラン営業職の方などの意見では、景気は良くなく、どちらかと言えば不景気に入っているとの意見が大半です。
これはカリフォルニアだからとも言えますが。 企業の長期借入金利はFRBの利下げの動きも影響しますが、直接影響するのは米国10年国債の利回りです。故に、FRBは利下げをしないでも長期金利を下げる方法使って景気の下支えをしようとしている節があります。利下げの地ならしです。
中、高所得者は、株高、不動産高という資産高に助けられて、資産を増やし、生活にも余裕がありますが、低所得者層は物価高、金利高、クレジットカード残高増、コロナで得た支援金もなくなり苦しくなっているのは間違いありません。雇用統計では良好な数字が出ていますが、実際には、転職が難しい状況が続いています。解雇されなければ今は転職が難しいので自発的にはやめない人が増えていますし、新たな職についても思ったほど給料が上がりません。また、中小企業でも高額な給料で新たな人材を雇うよりも現在の人材を確保して置いて我慢する動きが見えます。解雇が少なく、副業が増えると全体で雇用が増えてように見えますね。これが実態ではないでしょうか?FRBはそんなことは100も承知でしょうから、これから長期金利をなんとか下げて行こうと裏で努力している様に思えます。
その裏の方法としては、今後の方針を発表してゆくことで経済全般の金利を動かすことが可能で、今までにもそうした手を使ってきています。
次の7月30,31日のFOMCやジャクソンホール経済政策シンポジウムがその機会となりそうです。
心配なのは、ウクライナとイスラエル問題です。この二つの戦争の解決方法が見当たりません。今後の展開によっては原油高を引き起こし、世界経済に
大きな影響を及ぼす可能性がありますので、この点は要注意ですね。この二つとも米国の方針がカギを握っていますから、米国の大統領が変わり、戦争を止める
方向に舵を切れば、今後の経済に対する不安はかなり少なくなると思います。原油価格が安定し、米国の財政支出が減少するからです。
【今週の???な国際ニュース】
移民問題が世界で問題になっており、EUでは無制限な移民受け入れ反対派が各国で勢力を伸ばしており、米国の大統領選挙の最重要争点となっています。ドイツとスウェーデンではいつの間にかクルド人武装組織の拠点が出来ています。ドイツ、スウェーデンではレイプが増えて治安が悪化し、フランスでは人種対立が激しくなっています。このような状況を知ってか知らずか、(勿論日本政府は知っているのでしょうが)日本は実質移民政策を推し進めています。2023年に難民認定したが外国人は303人、ただし、難民資格には該当しないが、人道的見地から日本に滞在を許可されている外国人が1,005人、亡命希望者は1万3,823人で2022年の3倍以上も増加しています。難民を申請する外国人の数は、スリランカ3,778人、トルコ(クルド人)2、406人、パキスタン1,062人とう順序となっています。スリランカやパキスタンは政治情勢から判断すると政治亡命の難民とは言い難いと言われています。しかし、日本はそういったケースでも亡命を認める方向で出入国管理及び難民認定法を改正して、難民の定義に該当しない場合でも亡命を認める補完的保護と言う新たな地位を導入しました。政府は実質の移民受け入れ拡大を目指している様です。
埼玉県にはクルド人の街、ワラビスタンが既に誕生している様です。
どうして急に移民受け入れに舵を切ったのでしょうか? 経団連からの圧力で低賃金労働者の確保を求められたからと言われています。
一度に日本文化を理解し、秩序を守って日本人と同化する努力をしない人たちが増えると国の秩序が乱れるのは火を見るよりも明らかですが、企業利益を一番に考える人たちはそんなことは気にしないのでしょうか?
国あっての企業なのに???
【豆知識】
EU諸国の移民数と人口比トップ5 (2024年6月8日現在)
ドイツ 533,485人 0.64%
スペイン 531,889人 1.11%
フランス 249,355人 0.37%
ポーランド 228,006人 0.62%
ルーマニア 202、311人 1.06%
【今日のローン金利表】
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