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第16回 ネガティブ・ケイパビリティ ~もやもや、不安、葛藤、すべてを抱えて、笑って生きていく~

この予測不可能な時代において、最近、わたしがますます大事だなと思うこととして、「ネガティブ・ケイパビリティ」があります。
昨今のコロナ禍においても注目されている概念であり、「答えの出ない状態を抱え続ける力」等と訳され、いわば「不確実なものを不確実なまま置いておける力」のことです。
反対に「ポジティブ・ケイパビリティ」は、「積極的に答えを出していく力」、つまり「問題解決力」のことで、わたしたちにはこちらの方が馴染みがあるかもしれません。

わたしたちの身の回りには、簡単には解決できない問題であふれています。Covid-19とどう共存していくか、深刻化する環境問題、ますます分断が進む世界・・・
そして、その簡単には答えの出ないテーマの最たるものが、わたしたちのキャリアです。
これを読んでくださっている方の中でも、「このままでいいのだろうか」「自分の将来はどうなるだろう」「そもそも自分は何がしたいのだろう?」・・・不安や悩み、葛藤を抱えながらも、すぐには答えを出せずに悩んでいる方はたくさんいらっしゃることと思います。

私たちは、何か問題があればすぐ解決したくなります。解決すればすっきりするからです。キャリアのことでいえば、”仕事を辞めて転職する”、”とにかく目標を決めてそこへ向けて走り出す”、”問題をなかったことにして切り捨てる”・・・。もしくは、答えがないことに絶望して何も手につかなくなる、答えを出せない自分を責める・・・。
要はどちらか両極端になりがちなのです。
両極端になるとどうなるか。拙速な解決策は、事態をますますややこしくし、自分責めは、ただただ苦しいだけ。どちらに触れてもあまりいい状態ではありません。だからこそ、わたしたちは時に、この「答えの出ない状態」を「答えの出ないまま」に生きていくこと大切なのです。

わたしもこのコロナ禍において、改めて「ネガティブ・ケイパビリティ」の大切さを実感しました。今までやってきた対面の研修やカウンセリングが全くできなくなり、何か行動を起こしたくても、買い物のために外に出ることすらかなわない。いきいき働くどころか、ただ生きるということさえ脅かされ、一体こんな中で、どうすればよいのかと。
コロナさえなければ、とコロナを憎み、こんな中で一体わたしはどうしたらいいのか、方向性を見いだせない、答えを出せない自分を責めました。
でも、落ち込むだけ落ち込んだら、ある日、腹がくくれました、世の中、すぐに答えの出ることばかりではないのだと。答えの出ない中でも、そういうモヤモヤを抱えながらも、その中でどう生きるのかが大事なのだと。

2,30代の自分も、そうやってキャリアを少しずつ切り開いてきたはずだったのに、ここ2,3年、目標に向かってがんがんまい進する日々だったので、そのことをちょっと忘れていました。

これからの時代、ますます不確実です。不確実だらけです。そういう中でも、いきいき生きていくためには、すぐには解決しない、答えの出ないもやもや、不安、葛藤、いろんなことがありながらも、その中でも自分なりに答えを出そうと努力する(でも結論は急がない)、今与えられたものに全力を尽くす、そして答えのない状況そのものを楽しむ、そんなことが大事なのだと思います。
で、こうやって生きていく人生、結構、悪くないです。もっと言うと、豊かです。「あ、これこそ“生きる”ってことだな!」そんな風にさえ思えてきます。

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答えのない問いに、無理に答えを出そうとしていませんか?答えが出せない自分にがっかりしていませんか?
答えがすぐに出ないのは当たり前!答えを出せない自分を責めなくていいのです。
答えを出すことを焦らず、道に咲いている花など愛でながら、時に雨に降られながら、それらすべてを楽しんで、それぞれの道を歩いていきませんか。

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