シェア
花が揺れて草木がざわめき 微笑みかけてくれた たったそれだけのことで わたしの今日は祝福さ…
こころの中にある 小さな美しいものを 数珠繋ぎにして きれいなネックレスを作ろう どんな些…
「かなしみを変質させないで」 アデルが言った 知ってるかい? 純度の高いかなしみを そのま…
目に見えない分断、 が世界を覆っているとき わたしは何を 語ることができるだろうか 為すす…
わたしの裡に入り 灯りを消して 物質的な恍惚と喧騒から 静かに離脱する 心はしんと静まり た…
沈黙がすべての言葉を奪い 舞い降りてくるとき 熱波にさらされた蝉たちの声は おびただしい雨…
変容をうながす風は 否応なくすべてを押し流し もと居た場所から見えた景色が どんなふうだったのかも すっかりわからなくなってしまった 私たちの五感には いま手元にあるものだけが 鮮やかすぎるのだろう この世界には リアルな手触りのあるものしか もはや存在しないと言った風情 かつて通り過ぎた場面は 実感を伴わない虚構となって 夢か映画のシーンのように おぼろにたゆたっている 加速している 風の勢いが 押し流す力が増している 眩暈がする しかし渦中に佇んでいると 押し流され
心の奥深く 生きとし生けるものに共通の 言語のようなものが あるとしたら 種族も文化も超え …
理解できないことを通して わたしたちは立ち止まり 闇をくぐり抜けることで わたしたちは希望…
ざわめきから身を引き剥がして 静けさの中にとどまる 奥まった場所に ひとり隠れることは と…
植物たちが 黙って世界を修復し 誰かのこころを癒すように 何も言わずにただそっと 寄り添えた…
いのちは形態に宿れり 無数の泡立ちのひとつとして 宇宙の表層をごらん 発生しては解かれてゆ…
あるとき言葉は とても無力でたよりなく 表現したいものに追いつかない あるとき言葉は 誤謬…
一等きれいな花のように 一等輝く星のように あなたのために すてきな言葉を携えて 会いにゆきたいのに あなたに会うと どんな言葉も 表したいことがらに しっくりこない気がして ほんとうに わたしの知っている どんなすてきな言葉も ふさわしくない気がして わたしはただ 口をつぐんだ小鳥のようになって あなたのいる世界の音に 耳を傾けているだけ