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YouTubeを始める理由、表と裏。

閑話休題

半年以上前に、ヘアサロンのお話を途中まで書いていたのでした。お話が途切れている中で唐突な「YouTube」。え?イヤイヤ・・。我ながら勝手です。閑話休題ということで、サロンのお話の合間に自分の近況も綴ることにします。先週末、YouTubeのチャンネル『北欧さんぽ』を開設したのですよ。

なんで今YouTube?

YouTubeに出ること。チャンネルをやってみること。これに関しては、これまでにも何度かお声がけいただくことがありました。その度に「自分、不器用ですから。」とお断りをしてきた経緯があります。新しいもの好きな性分としては興味があったわけですが、なんとなく嫌な感じがして。「嫌」の正体はテレビとの比較だったのですよ。「YouTubeはテレビに取って代わる」というような言われ方がよく聞こえてくるようになって、「テレビの時代はもう終わりだよね」というセリフに出会ったこともありました。ここにすごい違和感があったのですね。この違和感がYouTubeへの逆恨みに繋がった、と。なにせ、私はコーディネーターですからね。人生を賭けてテレビ番組を作っている撮影クルーの人達とこれまで沢山お仕事をしてきたんです。ロケの楽しかった思い出やその時垣間見た彼らクルーの情熱が、YouTubeによって否定されている気がしていたのだと思います。(本当はそんなことないですよね・・。完全な思い込みでした。ごめんね、YouTube。)

だから、理由は?

それが今回180℃覆ってしまった状態です。表の理由が2つ、裏の理由が2つあります。

表の理由: プロデューサー

今回声をかけてくれたのはお友達の一人でした。(現状このお友達がプロデューサー的な役割を担ってくれています。)YouTubeを始める理由の7割はこの人です。「あのコーディネーターはあなたの仕事を奪うかもよ」「あの撮影はなぜ私に回ってこなかったのか」・・。フィンランドという小さな界隈のさらに小さな業界内でたまに聞こえるこんな言葉に辟易していた頃、出会ったのがこのお友達でした。「日本におけるフィンランド、北欧の存在感をイタリアやフランスみたいに王道にしていきたい」と言い切るこの人のポジティブさに圧倒されつつ、「そのためにはみんなで前に進まないと」という言葉に心から感銘を受けました。日本におけるフィンランドの、北欧の露出を上げたいと自分なりに動いていたつもりの私でしたが、前向きに色々な人を巻き込むこの人の働き方には脱帽。以来、尊敬の気持ちを持ってお付き合いをして数年です。このお友達が「よっちゃんのチャンネルを作ろう」というわけですから、そこに「自分・・」といつもの高倉健を繰り出す余地はなかったのです。「やります。」と即答でした。

表の理由: 自分の基準

とはいえ実際に撮影をするという段になると迷いましたよ。だって、映像に自分が残るわけですからね。取り返しがつかないのでは、と。末代まで残る恥になるのでは、と。コーディネーターはそもそも裏方稼業なので、そこに反する自分をなかなか認められませんでした。打ち合わせをしつつ、いつも頭のどこかでもう一人の自分が「こんなことしていいの?」と囁く・・、打ち消す・・の繰り返し。それでもやってみようと思ったのは、やっぱり面白そうだったからです。コーディネート業も、なんならヘアサロンの経営も、すべての基準は「面白いかどうか」ですからね。大変でも、結果が失敗でも、人にどう見られても、なんでもいいんです。面白ければ。

裏の理由: 修行

私がコーディネーターとしてロケに参加する時に一番ジロジロ見てしまうのは、技術さんとカメラさんです。機材を、手元を、動きを見ていると、なんだかすごいのですよ。プロは。何をどうしているのか素人には全くわからないのですが、それでも流れるような作業に見惚れてしまう。ロケ前に機材屋さんに行く時も、いつも人知れずテンションマックスなのです。YouTubeで映像を作ってみるという行為は、ああいうプロ達の仕事のおままごとバージョンなのではないか、というのが私の理解です。機材を使って撮影をする。撮影したものを編集する。編集したものを流す。今まで散々接してきたこの流れを自分でやってみることによって、コーディネーターとして自分に何が足りないのかが分かるような予感があったのです。撮影クルーの気持ちをもっと分かりたい、という衝動でしょうかね。

裏の理由: 自棄

自棄(やけ)、です。そうです。コロナで今年のロケ予定は全部無くなりました。ありがたいことに他のお仕事は続けることができていますので、日々は割と落ち着いています。けれど「ロケがない・・」という寂しさは常についてまわります。これまでコーディネーターとしてお仕事の中心に据えていたものが突然消えてしまった今、「もう!何かやりたい!ロケハンしたり、撮影許可取ったり、機材を眺めたりしたい!」という衝動が起きてしまったのですね。たとえそれが番組でなくても、誰に依頼されたものでなくても、いいんですよ。面白いことをしないと、生きていくのは辛いですから。

コーディネート大好き高倉健

と、書いてきましたが・・。理由、なが!ここまで自分に言い訳しないと踏み出せないというのも、我ながら可笑しいです。しかし、書いているうちに自覚したのは「撮影のコーディネートが好きだったのね、私」という点。これは自覚できていなかったので今の時点でもう収穫です。やっぱりやってみるというのは発見の宝庫ですね。ゆっくりと動き出したこのチャンネル。一体いつまで続くのか・・。プロデューサーのお友達が忙しくなった頃に途切れるのか・・。その前に私の好奇心が他に移ってしまうのか・・。(おおいにあり得る話です。不安。)自分でも自分が読めません。うわー、おもしろ!


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