「心経和讃」正調

おじゅっさんの葬儀の2日後 インフルエンザ脳症のお嬢さんが旅立たれたことを知った。

さらに10日後 おじゅっさんの奥様も。

ご夫婦が
幼い女の子が天国に向かう道を
一緒に歩いていってあげているように思えてならなかった。

「心経和讃」の色違い伴奏は
短3度高い方は女の子へ
原調の方はご夫婦へ

そう思った。

原調での「心経和讃」は 低音部を加える形で四部合唱とした。

低音は要で 支えであるのが常だけれど
時には
色合いとして
響きの中で泳ぐこともあって良いのかもしれない

三律上げからここまで
いろんな環境の変化や心の変化があり
心は大きく動いて当然なんだけど
不思議なもので
変に俯瞰して
自分のことを遠くから眺めているような気になったりしていた

それは
言葉にこめられたものの影響なのか
逃避から達観してるだけなのかわからない

2020年2月8日のメモ

原調の「心経和讃」の合唱編曲の各パートの旋律は 追加した低音パート以外は 短3度高い「心経和讃」の各パートと一致する形で完成し
20200728にご協力により リモートでお声をのせていただくことができた。

おそろいの色違い

自分にしかわからないことだが
この二つの「心経和讃」のピアノ伴奏には「光」をイメージした部分がいくつかある。
どちらも「光」だけど 輝き方は違うことが
調性の持つ色合いの不思議だと感じいった。

コロナ禍初期の ひどく現実的でない日々の中で
ひたすらに
淡々と
少しずつ濾過していくような制作の日々は
線状にまっすぐ続く道を
ちゃんと進んでいっているような安心感をくれた。
空に届けば良いと思った。

この原調での「心経和讃」は 低音部を旋律にしたため 伴奏がないと全体の響きにはならない。
そして おかしくなるような日々の中で私のファンタジーに過ぎないと思った。
突然の自粛生活を支えてくれたもの。自分が綺麗と思う感覚で終わりで良いと思った。

自粛も解け その想いに至った20200908に 改めてイメージとして録音した。

そのまま 時は流れて 今年20240427に 合唱ではありませんが ピアノ伴奏を使っていただく形で 美しい星空の下 空気に触れさせていただけたことは あの時 これらの編曲にこめた空の方々への想いを ようやく届けられたように思い たいへんありがたく心より感謝申し上げます。