ありがとうバカ殿様

先日、コロナに感染し亡くなった志村けんさん。訃報を来た時は、なんだか心のどこかがなくなったような気持ちになった。その後も訃報のニュースを聞くたんびに悲しくなって涙が出てきた。

なぜだろうと考えると、思えば、志村けんさんには小さい頃からたくさんの時間笑わせてもらった。「好きな芸能人はだれ？」と聞かれると「バカ殿！」っていうぐらい大好きな人でありキャラクターだった。

小学生の頃、バカ殿を初めて見て顔面白塗りの姿に衝撃的だった私は、バカ殿にどハマり。当時はセクハラやパワハラとあまり言われていなかった世の中で、女性のおっぱいが普通に出るくらいの変態番組。小学生の時はその場面が出ないかと少し楽しみにしている時もあった。

志村けんという人を知ったのはだいぶ後の話で、それまではバカ殿の人だと思っていた。私の中ではそのぐらいバカ殿のインパクトはすごかったのだ。

同じ頃に祖父からドリフを教えてもらった。私は毎週末になると祖父母に預けられていたので、毎週日曜日あるドリフが祖父との楽しみになっていた。祖父は見るたんび見るたんび涙目になるくらい大笑いしていたのを覚えている。ドリフは祖父との思い出をつくってくれた最高の番組で、ドリフターズがどんなことをしていたのか今でも少しだけ覚えている。

周りにドリフを見ている人が少なかったので、ドリフ話ができなくて残念だったけど、あんなに面白いドリフを見ているのは俺だけなんだって、誇らしかった。

そんな私も中学校を経て、高校生・大学生となると、小学生の頃の私をたくさん笑わせてくれた志村さんは、違った人に見えていた。その頃になるとバカ殿の番組数も減り、ドリフもほぼ見なくなったので、最近は普通のバラエティー番組でしか志村けんさんを見なくなった。

バラエティー番組に出ている志村さんは、どこか寂しげで控えめな人だなーと感じた。以外に真面目な人なんだなーと。テレビで聞いた話によると、志村さんはシャイでトークが大の苦手らしい。だからバラエティーで静かだったんだ。でも、そんな人が『バカ殿』や『変なおじさん』や『ひーちゃん』をやってたなんて。なんでできたんだろう。

志村さんが亡くなった後にテレビで、バカ殿など志村さんがつくった番組の総集編が放送されてあった。久々に見たけどやっぱり面白かった。

その時に誰かが志村さんの言葉を話してて、その言葉が印象的だった。

『俺は基本的に笑われるのが好きなんだよな。トークとかで人を笑わせるんじゃなくて、自分が笑われるのが好きなんだ。』

多分、志村けんさんはいろんなキャラクターに変身することで、別人になってたんだと思う。自分が笑われるにはどうすればいいのかを、一生懸命考えて考えて出てきたのが、『バカ殿』や『変なおじさん』なんだろうな。相当な努力をしてこれまでの志村さんがいるんだと気づいた。

これまでは表面的な志村さんしか見えていなかったけど、ようやく本当の志村さんの存在に気づくことができた。

本当にバカな人だったな〜＾＾

いつか子供ができた時に、バカ殿って人がいるんだよ〜って教えますね。またいろんな人を笑わせてください。

たくさん笑わせてくれてありがとう！バカ殿さま。