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12月SQ以降の株式市場展望

グリー株の紹介がまだできてませんが、12月SQが明けたので今月の展望を先にまとめておきます。自分で言うのもなんだけどめちゃくちゃ大事な話なので、YouTubeでもしゃべるかもしれません。


アメリカのインフレがり深刻すぎて利上げ待ったなし

ABC/ワシントンポスト紙の世論調査で政権支持率が38%となり、とうとう40%を割ってきた。

FOMCによって、テーパリングおよび利上げ時期はある程度織り込まれました。アメリカのインフレが過去最高になってきておりもはや緩和縮小どころか、早めに利上げしていかないと、アメリカ経済が崩壊するおそれすら出てきていますから仕方ないですね。


日本の企業間インフレは9.0%とアメリカ以上。にも関わらず消費者物価指数は0.6%しか上昇しておらず小売りが瀕死

日本も他人ごとではなく、商品価格の上昇率はオイルショック以来過去最高レベルです。物価指数への影響もまもなくでしょう。

にも関わらず、日本だけは消費者物価指数は上がってないわけです(※日本の諸飛車物価指数はエネルギー価格を除いています)。商品価格に全く転嫁できていない。

これによって、製造業や小売り系の業績がガタ落ちになっており、株価もぐいぐい下がっています。サービス業は人件費すら上がらなければただちに影響はないと思われますが、エネルギー価格の上昇で光熱費が圧迫し、土地価格も上がりつつありますからテナント費用もじりじり上げてきてます。
 
要するに、今のところはインフレ分を企業が我慢してくれてるんですが、もうそれも限界が来ます。これからは「給料が上がらないのに物価だけが上がっていく」という地獄が待ってます。

現時点では輸入食品がどんどん上がりはじめています。
・コーヒー、豚肉、米以外の穀物、生鮮食品などが凄い値上がりしてます。


株式投資は、企業業績よりも金利が一番重要です。

金利が7割、業績が2割、その他1割なんて言われています。なぜかというと、株式投資というのは資産運用の位置選択肢でしかないからです。

マクロのサイクルで言うと基本はこんな感じです。

①金融緩和や金利引き下げによって政策金利が下がると、国債や社債などの債権を買うより企業の配当利回りの方がよくなります。

②「債券利回りよりも株式投資してたほうがいい」となったら債権トレーダーや商品トレーダーは債権を売ってそのお金で企業の株を買いまくります。

③個人も企業に参加し、資産が増加することで消費を促しさらに企業業績を盛り上げます。景気が良くなると設備投資も増えるので全体的に企業の成長を良くします。さらにいえば企業としては「金利差の関係で借金して自社株買いした方利回り的にお得」となりますからみんなが株を買います。なのでガンガン株価が上がっていきます。

④これが企業の成長を促し、利回りと企業成長によるキャピタルゲインへの期待が上回っている間はどんどん株式市場お金が集まります。

⑤株が買われて債権が売られている場合、本来は債権の利回りもどんどん上がっていきます。そうすると株の利回りと債券利回りが逆転して株を買うメリットが徐々に薄れてきます。

⑥株が買われすぎて値上がりが厳しくなり、さらに利回りが悪くなると、株を売って国債を買う動きが強まります。

これが自然なサイクルです。

黒田さんの日銀による超金融緩和やパウエルさんによるFRBは何をやってるかというと⑤→⑥の部分を破壊してるわけですね。

中央銀行がずっと国債をお買い上げしまくるから、債券トレーダーが国際を売り続けてもずっと国債利回りが低いままになります。だからいつまでたっても債権を売って株を買うという流れが継続してきた。(日本はこれをやりすぎて国債を買うことも厳しくなってきたので直接日銀が株をかうということまでやってます)


コロナショックは「金利」が「業績」より上位にあることが如実に示されましたよね

コロナショックで企業業績が大打撃を受けた時ですら株価がグイグイ上がっていったので、もうこれほんとに金利が王だというのがよくわかりますよね。

私は正直さすがにこれだけ業績ダメなのであれば株価は一定以上はあがらんやろと思ってたので大負けしました。金利こそが王なのです。

ただ、いくら何でもやりすぎました。

見ての通り、為替や債券市場に比べたら、株式市場ってすごく小さいんですよ。債権市場では、「毎月」FRBが10兆円買っても買いつくせないくらいだしようやく金利上昇が抑え込まれるという感じ。
一方で、これは日本市場の話ですが、日銀が1年間で6兆円分の株を買っただけで大きく影響されていきます。

というわけで金利がいかに重要であるかは伝わったと思いますが、いよいよ市中金利のおさえつけもなくなり、今後は政策金利も段階的に上げていくということになりました。

今後はインフレが収まらない限り、金利はどんどん上がっていくし消費者物価も上がっていくし、価格転嫁できない企業は不況でつぶれていく


今後の流れとして真っ先に「今までアホみたいに株価が上がってきていたグロース系企業」がどんどん苦しくなっていきます。

さっきも言いましたけど低金利をいいことに借金しまくって広告しまくりで企業成長ブーストをかけたり自社株買いをしまくってきたわけです。成長率は落ちるし金利支払いも増えて利益が落ちるし自社株買いもいままでみたいにできません。債権トレーダーも今迄みたいに高値で株買ってくれません。

ナスダックやSP500のイケイケ銘柄は、個人がコールオプションまで使って超ハイレバレッジで買いポジションを積んでますので、値段が下がり始めたらガンガン損する人が増えてきて損切も出てくるでしょう。

現状のニフティフィフティ時代や、ネットバブル時代に近い状態になっていたものは苦しくなってきます。

すでに、退避行動として「グロース株」から資金が逃げて「配当利回りが高い大型株や、金利上昇で恩恵を受ける銀行株、商品価格のインフレで恩恵を受ける商社株に資金が移動していっています。

三菱商事は今の厳しい相場環境でむしろ株価上昇してます
EVに必要な銅、リチウムイオン電池に必要なニッケルやコバルトを扱っている住友金属鉱山などの資源株も追い風が来ています


これらの変化は急には起きない(利上げ局面の序盤では長期国債は買われない)が、油断しないように


利回りが上昇する=債権は売られるということなので、利上げ局面の序盤では、長期国債ほど買われなくなります。しかし銀行は一定量を買う義務があるので、「債権の先物買い」によるヘッジが行われたりして最初は意外と利回りの上下は拮抗します。

なので、事前にしっかり織り込まれていれば今すぐ金利が上昇したりはしません。そこは大丈夫。2022年の政策金利上昇のタイミングに足をそろえる感じで徐々に切り上げていくことになるでしょう。

なので、今年は穏やかなものでしたが、来年は為替FXをやってる人たちがFOMC前後にリスク取りすぎると一撃で退場する人が増えるでしょうね……。


オミクロンについては今のところ驚異にはならないのではないかと思ってます


モデルナの現状のmRNAワクチンがオミクロン株には一切効かないということで、過剰に恐怖をあおりました。(3月までには対応可能だそうです)

しかし、どうやらそれほど深刻ではないようです。

ファイザーは核酸代謝拮抗薬なのでウイルスの増殖そのものを抑えるので効果大。

なお、メルクは遺伝子コピーを妨害するだけなので3割しか効果ない。塩野義もちょっと微妙。

とりあえずファイザーの飲み薬が1月に認可される見込みなので、そのあたりから抑制が進みそうな感じです。

そもそもオミクロン株は感染率は高いけれど宿主を殺さない程度の症状=インフルエンザウイルスレベルなのではないかと言われてるので、むしろオミクロンがデルタ株を上回れば、そろそろコロナパンデミックは終わりそうな気がします。

→商業不動産関連の株価は回復傾向。

東急不動産は非常に割安水準になっているのでかなりねらい目です

→旅行代理店は、ファイザーの飲み薬が広まってから買う方が良いと思う。


日本株は岸田政権の迷走ぶりで海外投資家の敬遠が続く


https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2112/17/news037.html

アメリカの自社株買いは年間100兆円、日本の自社株買いはわずかに5兆円程度。日本はもともと自社株買い後進国なんですよ。

「自社株買いは税金逃れだ」ということらしいですが、それやりたいなら世界全体に働きかけようよ……。

自社株買いを抑制しようとしたり金融所得課税をあげようとしたりしてるので政策によって日経株価が上がることは一切期待できない。上がっても30000円を超えたりしないと思われる。

なにより、日本の最大の貿易相手である中国がIT政策を切り捨てて、製造業中心の政策に転換しようとしてるのでその点でも厳しい。

個別株で勝負していくしかありませんのでますます投資家の日本株離れが進みそうです。

一番あかんのは、成長戦略のビジョンが全くないところ。正直言って、岸田さん想定以上に無能すぎてびっくりした。立憲民主党の議員じゃないんだから、もうちょっと何とかしてほしい。


今月の個別銘柄はあくまで注目銘柄ということでよろしくお願いします

短期的にはそろそろいったん底になって年末までは上昇すると思っていますが、現状このような不確定な相場環境なので、あまり安易に銘柄をおすすめとして挙げない方がいいと思ってます。


一応8銘柄ほど紹介しておきますが、サラッと紹介しておきますね。今回はあくまで注目銘柄だということはご了承ください。

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