「情報発信者の武器」=「影響力の武器」の著者による新作が出てたので、「影響力」に関するいろんな本がどういことを言ってきたかを振り返ってみる
影響力に関する本はいろいろありますが……実は「影響力」って1:1と1:Nでは全然ありようが違うんですよね。
そのあたりを過去の本を見ながら振り返ってみましょう。
古典「人を動かす」はコミュ力だけですべてを解決しようとしたストロングスタイル本。コミュ障を改善してくれる本かと思いきや、コミュ障には絶望しかもたらさない
これは今でも通じる大原則です。
自分で動かすのではなく、「相手に動かせる」ことを考えた時にできることは、とにかく相手から引き出すしか無いという考えです。相手に自分の思ったとおりに動いてほしいときこそ相手を主に考えるべきだ、ということの大切さを説いた本であり、むしろ年々重要性が上がっていると言えますね。
ただ、はっきり言うと、人を動かすは「コミュ力」特化本なんですよ。
ソレ以外にも使える武器がたくさんあるはずなのに、コミュ力を鍛えれば全ては解決すると言ってる。いや、たしかにコミュ力鍛えれば強強なのはわかるけど、他の武器も使わせろよってなりますよね?
そこで次に登場したのが「影響力の武器」です。
「影響力の武器」はコミュ力以外にも他人との関係で使える武器があることを教えてくれている
さすがに「影響力の武器」を知らないという人はあまりいないと思います。
本を読んだことはなくても6つの原理だけは知ってますよね?
返報性の原理
一貫性の原理
社会的証明の原理
好意の原理
権威の原理
希少性の原理
一体性の原理(あとから追加された。SNSで猛威を振るう「党派性」の話。人は自分の身内だと考える相手にイエスと言いやすい。)
これは今でも有効ではあるのですが、Googleのせいで結局「社会的証明」と「権威」が突出して強くなってしまいました。実際「インフルエンサー」バブルとなっている現状ではとにかく権威!権威!ってなってますよね。
さて、影響力の武器は、どちらかと言うと「プッシュ型」ですね。
ぶっちゃけ、この6つだけ知ってても意味がないので、今から本を読むくらいなら、その6つをシチュエーション別に分解して具体例を示してくれているこちらの本を読んだほうが役に立つと思います。
ちなみにチャルディーニは心理学者の前は長年営業マンをやっており、結局自らの研究成果を使って「営業テクニックの本」まで出している。まぁ読まないけど。
「影響力の法則」という本が「カレンシー(信用貨幣)」と「レプロシティ(互恵性」という概念でさらに使える武器を増やし、さらに具体化してくれた
スゴ本の人が、社会人なら「影響力の武器」よりこっちのほうがすご本だと言ってた記憶がある。
これの原題は「Influence without Authority」であり、「影響力の武器」の中核である権威に頼らなくても他人に影響を持つにはどうすればよいかを語っています。こちらはAuthorityの代わりに「カレンシー」という概念を提供しました。つまり「相手を知り、相手にとって価値のあるものを把握する」ことの重要性を説いた本でした。
そして、カレンシーという概念を掘り下げていくんですが、この本はカレンシーという媒介概念を使って、影響力を与える源泉を、「影響力の武器」よりももっと細かく腑分けしているんですね。
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