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「一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書(経済編)」 かなり入門レベルなのでとっつきやすい


半額+200ポイント還元ということでやたら安く買えたので本屋で確認せずにエイヤで購入しちゃった。


結論から言うと、思ってたよりあっさりしてたので、掘り下げについては物足りなかったです。


でも、私の持論である「世界史を学ぶなら経済からやったほうが面白い」っていうアイデアを本当に実現しているというだけでも個人的には感動してます。世界史を教える人間なら誰もがやりたいと思ってたことを、人気YouTuberの人が実現したというのが面白い。


こういうのを見ると本当にYouTuberって夢があるなと感じますねー。



具体的にどのくらいの詳しさなのかをみてもらうために、ちょうどナポレオンのマンガを読んでいるところなのでその部分を。


フランス革命~ナポレオン時代に「紙幣」は一度失敗し、その後「金本位制」が生まれた。そして、この「金本位制」ゆえに植民地獲得競争が激化したというあたりがとても簡潔にまとめられています。




ロスチャイルド家がワーテルローの戦いに賭けてボロ儲けした理由についても、この時の金融の仕組みが理解できたらわかりますよね。


金本位制が成立するまで、ヨーロッパの貴族たちやブルジョワたちにとって、持っている紙幣がいつ紙くずになってもおかしくなかったわけです。

戦争の結果次第では常時リーマンショッククラスの変動リスクが有る、みたいな世界です。紙幣の価値それ自体が、為替のFXどころかビットコインが可愛く思えるレベルで乱高下する世界でした。

今の感覚とはぜんぜん違うのです。

そして、ワーテルローの戦いでナポレオンが敗北するというのは、ナポレオンの終焉=戦争の終わりを意味します、平和が訪れて紙幣の価値が安定する=賠償金も手に入れて財政が安定する戦勝国の紙幣の価値がバク上げする(逆に敗戦国の通過は紙くずになる)ということです。 ちなみにフランスはこの時紙幣廃止してました。


単なる一つの戦闘における勝ち負けのベットじゃなかったんですね。


しかも、ワーテルローの戦いは、ナポレオンが9割以上の確率で勝利する見込みのある戦いでした。少なくとも惨敗はしないはずでした。 


当時のナポレオンがいずれ負けることは当時の人たちなら分かっていました。兵力差がありすぎたからです。ロシア遠征以降のフランス軍はさすがに弱体化しまくっており、兵力も騎馬も足りませんでした。

しかしそれでもワーテルローですぐ決着がつくとはみんな思ってなかった。まだここではナポレオンは粘れるだろう。負けてもまだ次の戦闘があるだろう、と思っていた。



だって、ワーテルローで戦ったのは連合軍の中ではあくまでイギリス・プロシア軍だけだったのだから。しかもプロシア軍は合流ができなくなるはずでした。 そして大兵力のオーストリア・ロシア軍が戦いに合流するにはまだ時間がかかるはずでした。


だから、兵力差的にナポレオンが勝ち抜くことはできないまでも、この戦いで負けたとしても、それでも本格的な決着はまだ先だと思われてた。


なのに、あっさりとワーテルローでナポレオンは再起不能になっちゃったわけです。しかも1日目は勝ってたのに2日目で逆転負け、というサプライズぶり。


これをいち早く情報として掴んだロスチャイルド家がボロ儲けしたんですね。なお、こいつらはタチ悪くて、あえて先に売り浴びせて崩してから、値が崩れた後から一気に全部買い占めるとかやってたみたいっすよ。



そして、こういうからくりを知っていると、「狼と香辛料」や「ワールドエンドエコノミカ」をより楽しめます


狼と香辛料でも、戦争の結果にベットして破産しかかったけど大逆転勝利を治めるシナリオ展開が出てきます。

多分仕組みをわかってないとこのヒリヒリ感があまり伝わらないのではないかと思います。もちろんそれでも楽しめるのがあの作品のすごいところですが。


こういう話が好きな人であれば他のチャプターも楽しめます。 今1600円⇒実質630円とかなりお得になっているので、今のうちに買って読むよろし


逆に言うと、今の話聞いて「ふーん、興味ないなー」って思った人はまぁ読まなくていいと思う。


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