映画「バンデラス」 (前半) 2014年9月のドネツクを舞台にした物語
緊迫感のある戦闘描写といい、故郷を奪われた男の悲哀と言い、ミステリ要素もある。
不謹慎かもしれないが、映画としてすごく面白い。
ただし、知識がないとかなり難しい。頭を空っぽにしてみても理解が追い付かないので落ち着いて見れるときにじっくり見ることをおススメしたい。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B07RZVPHRF/
冒頭の5分の説明をちゃんと見ておこう
私は37分くらいで「ホドック」という人物の話が出てきてよくわからなくなり、他のサイトを見たらこういう話だったので、あらかじめあらすじはちゃんと頭に入れてみた方が良いと思います。
ここをうっかり見逃すと、その後の理解が困難にある。
タイトルに反して英雄が活躍してすっきり話ではなくてその逆。ものすごくビターな作品となっている
なお、タイトルの「バンデラス」は、ウクライナ軍所属の工兵である主人公が自らにつけたコードネーム。由来はバンデーラ主義ではなくこっち。
休戦を控えた状況で「ヴェセレ村」でのバス爆破事故をめぐる陰謀を暴く
日時的に、ミンスクにおける協議によって休戦状態になる前を描いた作品なのかな。
2015年2月11日にベラルーシのミンスクで調印された、東部ウクライナにおける紛争(ドンバス戦争)の停戦を意図した協定。2014年9月5日に調印されたミンスク議定書による停戦を復活させることを目的としている。
2014年に解体された「ベルクト」が登場する
ちなみに、アゾフ連隊やバンデラ派へのプロパガンダはこの時期から有効に機能していた
作品では何者かによって行われたバス爆破についての話についてドネツク州在住のロシア系住人が、主人公たちに対して露骨に「あんたたちバンデラ派がやったんだろう」と嫌疑をかけてくる。
思った以上にきっちりとプロパガンダが成功していたようだ。
後述するが、彼の地元の友人もすっかり「ウクライナ政府軍とバンデラ派が、ロシア系住民を虐殺しようとしている」と信じ、故郷を守るために分離派=ロシア側の民兵として戦っていた。
休戦協定を前に前線の検問所で警戒を続けていた部隊で、ある日一人の隊員が何者かに殺害される
死体の様子から、犯人は「分離派=親ロシア派」のプロと推測される。
しかし、兵隊たちは村人たちも疑う。
実は主人公はこの村の出身で、若いころ家を飛び出して以来、任務で初めて戻ってきた。数十年ぶりに戻ってきた村は戦争で荒れ果てており、すっかり排外的になっていた。 そして、その時の親友は親ロシア派の民兵になり、恋人だった女性は兵隊相手に娼婦をやっていた。
自分がおいてきた故郷の思い出が、ロシアとウクライナの戦争によってすべて塗りつぶされてしまった。ノスタルジーが奪われるのってめちゃくちゃつらいな……
寄りによって、バス爆破の実行犯は、分離派の民兵になっていた主人公の元友人だった……
貧乏で、将来に希望がないゆえに「愛国のための戦い」に救いを求めていた元友人は、分離派の活動派にいいように利用されてコマにされたのか。
ともかく、なんとか生き延びた彼は、主人公にバス爆破事件の真相を語る。
隊員をひそかに殺して回ってる人間も見つけて逮捕!これで任務完了……ではない。真の犯人はいったい?
裏切っていたのはモリャル少佐だ!逮捕しろ!
よし、これで一件落着だな。
……あれ~まだ残り時間半分あるぞ。
と、いうところで前半はここまで。
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