アイズナーのマーケティング術はマンガを売るために利用できるか?

#DL同人の話

タイトルに反し、ディズニーなどでも採用していた売り方のテクニックが語られています。

画像1

表紙を変える・フルカラー版を出す・違う作家でリメイクする……これを複数作品でローテーションでやっていけば旧作も含めて作家の名前が常に露出できる状態が作れますね。

これは実際DL同人でも同じような手法は一部で使われているなと思います。あとロマサガやりこみで有名な「おやつ」さんなんかもそうですね。あらためてDL同人作家さんの上位勢はマーケティングについての考え方が洗練されてるなと思う。


・斬新さよりも「わかりやすい面白さ」を追求。
・強烈なアイコンとなるキャラが牽引するシリーズもののホラー
・「1話の中でもステージ(舞台)がぽんぽん移っていくようなスピーディな展開」を意識して制作する

画像2

画像3

私はこういう漫画は今は読んでませんが、一時期はよく読んでたのでまあ言いたいことはわかる。

たくさんマンガ読んだ人には苦痛なくらいつまらないんですが、ほとんど読んだことがなかったり読み方がわからない人にはこういう漫画って結構需要がある。未知のジャンルならなおさらですね。

うちのマンガも圧倒的に10代、次に20代――といっても大学生くらいまで――の読者が多い。ちなみに65%以上が女性です。

「よりよいもの」をしらない人にたいする入口みたいな感じ。


DL同人作家さんって自分で作品を作るくらいだから当然目が肥えているわけですが、だからこそいろんな縛りが発生してる可能性はある。「自分がクソだと思う作品」なんか絶対に作れない。

そういうところで意外と「エロ同人全く知らないイラストで食ってた人」とかがぶっとんだ作品を作って爆売れしたりするのはDL同人の世界でも同じなのかもしれません。

例えば、この前紹介した「まろん☆まろん」さんは作品作るまでエロ同人全く読んでなくて、「青水庵」さんの作品を参考にして、DL同人の常識に全くとらわれずに作品を作ったそうです。



絵柄について

作家はキャリアを積むうちに絵にこだわり、描きこむ線が増えて手が遅くなっていきがちですが、『進撃の巨人』だって初期は絵がヘタだったけど爆発的にヒットしましたよね。もちろんジャンルにもよりますが、マンガで売れる売れないをもっとも左右する要素は絵じゃないんです。絵に凝って止まってしまうよりも、読む側からするとどんどん早く出して展開してくれるほうが嬉しい

もっと言えば、ヒットを生み出すためにも、早くたくさん作品を描いた方がいいんですよ。いくらえらい人やヒットメイカーが企画を考えても、売れないものは売れません。打率はよくて3割です。だったらとにかくいいなと思ったものは10本出す。そしたらどれかは当たります。その当たったものを育てていけばいい。

これについては微妙というか、DL同人だとなんだかんだ絵が綺麗な作品を最優先するのでDL同人には当てはまりませんが、LINEマンガとかだととにかくどんどん先が読みたいってなるのはわかる。

ちなみに私はそういう仕組みが嫌いでLINEマンガやピッコマを使わなくなりました。まじであの仕組みめちゃくちゃイライラするんだよね。


「連載」「シリーズもの」についての考え方:反応が全くない作品はすぐにたたむ

連載途中では「よくわからない」という感想を待っています。「どういうこと?」と書かれているのは良い傾向なので、そのまま突き抜けさせます。先の展開が読まれていないということですから。逆に「次こうなるんじゃない?」と読者に見透かされたら方向転換させています。
読者が「こういうものが見たい」と書くことに対して媚びずに、裏をかく。ホラーはこれが正解だと思っています。エンタメでは正攻法が必ずしも正攻法ではないと思うんですよ。


ちょっと読んでみたくなった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?