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昨日のアメリカ小売業の決算が悪すぎてアメリカ株がパニック下げ

今週急いで買いに行かなくてよかったじゃろ?

それはそれとして簡単に昨日の下げについておさらい。


今までの下げは「成長鈍化」だけを織り込んでいた


今までの下げは「FRBの利上げ」によるマルチプル(PER)の訂正でした。単純な話、アホみたいな成長が続くのが前提でPERが30くらいまでいってたのがやりすぎだったから18くらいまで訂正しようぜって話ですね。

ここまではグロース株あるあるです。ただの株価だけの問題です。

レバナス勢やダウ積み立てやってる人が将来を心配してないのは、「アメリカ企業の業績自体は今後も伸び続ける」と思っているからですね。実際、まだ各証券会社は、SP500の来年度業績予想で、EPSは伸びるという予測をしたままです。

ところが、日本では考えられないかもしれませんが、アメリカ人ってずっとインフレが続いている関係でみんな投資やってるので株価が下がると普通に金がなくなるんですね。

ずっとインフレ続いてるからお金を貯めこんでても損する→何か買ったり投資しなきゃ→投資したら値上がりするものがたくさん→投資で儲けてさらにお買い物!

という循環になっていて、特にコロナバブルでは大儲けした人が多くてより消費が盛んになり、設備投資が盛んになり、それによって株価や仮想通貨の価格があがるというループ状態でした。さらに今回はアメリカ株があまりに強いので世界中から資産が集まるというのもあって世界中から資金が集まって膨張しまくってた。

これ、やってることは円天とかのポンジスキームに近いです。国家がやってるから倒産したり逮捕したりすることがないだけです。資金の流入が止まったらそこからは逆回転し始める。


消費者マインドが一気に低下。特にリボ払いが悲惨なことに!

要するに直近の売り上げ増加は、「インフレがますますひどくなる」という見込みで買いダメが起きてしまった状況です。ここから数か月先には利益減少だけでなく売り上げ減少もあり得ますね…


これから「利益減少」→「売り上げ減少」の織り込みが不十分だったところを織り込むターン

これを受けて、小売り・輸送株など産業の中核といわれている銘柄が大幅下落。パウエルさんはそれでも火曜日発言でホーキッシュな姿勢を緩めなかったですね

そうはいっても短期的には売られすぎです、そもそもバリエーションのほうが過剰に織り込みすぎている。あくまでも5月SQ前の仕掛けだと思ってます。

少なくともアメリカに関しては短期底が近いという目線は変えてません。

日経平均はとにかくドル円がやっかいです。今回の状況を考えると6月・7月の50bp利上げは変えられないでしょうが、それ以降はさすがのパウエルさんもタカ派傾向が弱めてくるとすると、ドル円の上げ圧力は弱まるかもしれませんね。


おさらい:インフレ退治のプロセス

①景気逆回転の初動:諸要因によって需要が旺盛な供給にこたえきれずに高インフレが持続し、これにより消費者マインドの下落

パウエルさんは、「コロナが長期化しない」「戦争が起きない」という前提で金融緩和を行っていたので、最悪な形になっています。

②景気逆回転のセットアップ:FRBの利上げ&QTにより「まず債券市場と株式市場」がバリエーションの低下という形で一番最初に織り込みを始める

ここもペースが速すぎてすでに金融市場で逆ザヤ現象が起きています。日本はもろにその影響を受けて、一瞬で円安が進み、後々考えると先進国でもトップクラスに経済に打撃を受けることになるでしょう。

③株価下落により旺盛だった消費者マインドが低下し、購入意欲が抑えられて需要が減少する

これについて、Targetの決算は「消費自体はまだ堅調なのに」利益が大幅に下がるという現象を食らっています。ましてこの後売り上げも下がるようならさらなる打撃を食らうことになるでしょう。
っていうかすでにAmazonの決算で数字出てたのになんでTargetとかWalmartの決算がいいと思ってたのかヤンキーの考えることはよくわからん……
当然、もはや「高級品」となったiphoneなどを売っているAppleがこのまま済むとは考えにくいですね。

④消費者マインドの低下により需要が抑えられると需給が平常化しマイルドなインフレに戻る

インフレについては6月からは緩やかに下がっていくとみられていますが、それでも平常化は12月まで続くというのが各証券会社の見込みです。





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