見出し画像

「プロフェッショナル 仕事の流儀 ジブリと宮﨑駿の2399日」メモ

会っちゃったからしょうがないんだよ
逃げることはできなんですよ
タタリ神みたいなもんでしょ?

宮さんにとっては映画の中が現実なんだよ
現実の世の中は虚構だよね

「宮さん、泣きべそをかくな」って高畑さんは俺によく言ってた
(なきべそをかくってのは)自己愛なんですよ
弱者のナルシズム
もっとも嫌なものなんですよ





いきすぎた片思いが憎しみになった時期も


「筆跡を真似る」まで思い入れがあったがさすがにいきすぎだった

元々二人は正反対の性格。

アイデアを出しても出しても受け入れてくれない高畑さんに憎しみが募った


一度高畑のもとを離れたが、結局離れることはできなかった


すれ違いが限界まで達した時

高畑さんの下で働くのをやめて
自分も監督になり
高畑さんの下ではできなかった作品を描きまくった


しかし、それは長くは続かず一度力尽きた。
絵コンテが描けない時期があった

その時助けに来てくれたのも高畑さんだった

そして、再び高畑さんのもとに戻った


意を決して高畑さんの下に戻ったら「近藤さん」に信頼を置くようになっていたw


そこに「サギ男」こと鈴木敏夫が現れ

「マンガを描きませんか?」と持ちかける。

しかもそのマンガは映画化されることになった


高畑への復讐を心の支えにして映画を作り それが宮崎の運命を変えた


宮崎さんは「プロデューサは高畑さんに」といった。

その時のセリフがすごい

俺はパクさんに15年間、青春のすべてを捧げた
まだ何も返してもらってない。
プロデューサーは監督じゃないから
俺の作品に手を出せない
このつらさをパクさんに味あわせたい
これは復讐だ
それを支えに作りたい

これに対して高畑さんは厳しかった

「ナウシカは30点」


それから、高畑さんに褒めてもらいたくてずっと映画を作り続けた


映画引退を宣言した時、高畑さんは怒った

映画監督に引退なんか無いよ



死後2ヶ月間、絵コンテが止まり、パクさんの亡霊を求めて田舎をさまよう

そんなにパクさんが重いと思ってなかったんですよ
長いお通夜やってんな俺も
いいかげんにしろって思ってんだけど



ようやく再始動

高畑さんなくなった後

高畑さんを越えるために

宮崎さんは再び旅に出る

主人公「真人」として。



そして、スタジオに再び活気が蘇る。



行く手にはジブリのような塔

そこに高畑さん(大叔父)は居る。

でも、一人で行くのは怖い。

だから鈴木さん(サギ男)を道連れに。

先に行った仲間たちに見守られながら。

高畑さんに導かれるように

旅の中でひとつずつ弱さを脱ぎ捨てていった。

それは宮崎さんの人生そのもの。

宮崎さんはいった

「これが人生最後の旅になる」



しかし映画作成開始から2年間。

他の絵コンテは進んでも

肝心の「大叔父」は一向に出てこない

最初の絵コンテでは

大叔父は高畑さんとは似ても似つかない悪意に満ちたキャラクター像だった

大叔父が描けないまま、恒例の社員旅行にでかけた…

神様には
「お前はそうやってずっと一人で飛んでろ」
って言われた気がした (紅の豚)


ようやくスイッチが入る

知的に組み立てていくものじゃないんだよ

脳みそのフタが開くんだ。

脳みそのわけわからないところのグニャグニャから

アイデアってのは出てくるもんなんですよ。

でも、おかしくしないと開かないんですよ脳みそのフタは。

そうなったら大概のことはどうでも良くなる。

「世界の中心にいれば良いんだよ。パクさんは」

「神様、俺は何をやろうとしてるんだろうね」



高畑に、会いに、いく



絵コンテが終われば
俺が死んでも片山がやるから大丈夫って
片山が言ってるから

しかし一度作ったものはやり直し。製作が難航してタタリ神みたいになっていく宮崎

執念でしょ
怒りってそういうかたちで現れるわけでしょ
年を取ってみんな死んでいく
そのことに対して
死んでも死なないぞって

その領域がしんどいって言いながら
同時に心地よさや快感も味わっている
何が楽しくて生きてるのよ 宮さんは


若いやつが自分の作ったものを刷新していっている。もう宮崎の居場所は映画の中にしか無い


高畑が死んで8ヶ月

まだ高畑の死に怯える宮崎。

閉じ込めてきた過去が蘇る…

ずっと高畑に対する屈辱と痛恨の思いが
僕に映画を作らせ続けているんですよ。
作り続ける限り、その支配から逃れられない

「生きることは誠につらい
 世を呪い 人を呪い
 それでも・・・ 生きたい 描きたい 作りたい」


1年後ようやく絵コンテは完成した

やっとパクさんを葬った。絵コンテで


映画の中では宮崎は高畑からの継承を拒み、高畑の築き上げた世界は崩壊する


殺しちゃった

高畑の呪縛を解いたことで
宮崎の魔法もまた消えつつあるのかもしれなかった


描けなくなったんじゃなくて
前から描けなかったんじゃないかと思うようになってきた

自分にも死の臭いを感じ始める宮崎。


狂気の境界線に立たないと映画って面白くならない
ただ、今回は開いたフタが閉まらないかもしれない

宮崎「大丈夫。なんとかなる」
高畑「大丈夫ですよ。宮さんなら」



面倒くさいね。
一つ終わると
まだ人生は続いてると気がついて
パクさんとまた話をしたいよ
パクさん、また何か作ってよ



高畑を託した大叔父の最後のセリフは「自分の時に戻れ」だった


「この世に戻ってくるのは面倒くさいな」

これでこのドキュメンタリーは終わる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?