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「卸売業者」や「専門商社」の価値とは何か(転売ヤーとの違いも含めて)

転売ヤーと商社の区別がつかないという人は結構多いけど

これはそもそも商社の機能を知らないというのもあるし、さらに言うと「卸売業」を間に挟まないからよくわからなくなるのだと思う

某レポートからの引用。


転売ヤーはすべてが悪ではないが…転売ヤーに卸売業者や専門商社の代替は無理

そういう人は、卸売り業者の役割の内、購買代行の機能しか理解できていない。そもそもこれが結構勘違いされている理由だ。

実際には転売ヤーと一緒にされがちな卸業者はそれ以外に

①物流在庫管理による需給調整(価格のクッション)
②与信および代金回収機能
③情報機能としてのマーケティング支援や販売促進機能を持っている。

専門商社は特に川上(原料の買い付け)が強く、物流機能を持たないという違いがあるがだいたい同じだ。


このうち②はメルカリ等に代行させるとして、
①や③の価値を提供していないのに中間マージンを取ろうとすることに納得するメーカーも客もいない。

そうはいっても、購買代行のハードルが高い場合は一定の価値がある。コミケなどで「依頼を受けて」購買代行に行く人は転売ヤーといえども否定しない。ただし、その価値は手数料的な価値しかないし、その結果買い占め行為につながって他の客へのデメリットが上回るならメーカーから拒否されるのは当然。商社とか卸売業と同じだと主張するならなおさらそうなる。



転売ヤーが悪になるのは、「メーカーと客の直販体制の間に割り込むこと」と「小売業者と客との間に割り込む」場合

見ての通り、そもそも商社や卸売業者はメーカーと小売業者側をつないでいる。

小売業者まで行ってしまえば、原則として転売ヤーの存在は不要である。

また、最近はインターネットによる直販体制がある。直販体制がある状況で客とメーカーの間に割り込むことはメーカーにも客にも何のメリットももたらさない。

日本は今でも卸売業は非常に多いが利益率は3~6%である

上場している企業だけで132社存在する。

基本的には専門商社であるがまぁ利益率が低い。

そして、やはり転売ヤーと同じく、卸売業というのは投資家から見ても付加価値の部分がよくわからないから評価が低かったりする。

なので、よくわかってない人ほど問屋は不要だとか言いだす。そういうこと言ってる人は今からすぐに会社の調達部門に配属して半年働いてもらうといいのではないか。自社で調達や在庫管理を間違いなくやるというのがどれだけストレスフルかわかるから。

もっとわかりやすく言えば、アスクルとかプラスといったオフィス用品購買も禁止する。

そうすれば、これらを外部委託することがどれだけ楽か。しかも日本の場合あまりマージンを取らずにやってくれるというのがどれだけありがたいかよくわかるだろう。

ここからは投資家目線でのお話

とはいえ、今まで直販体制やメーカーと小売業者が直接取引への置き換えは進んでいるのは事実。先ほどの機能でいうと、特に決済や代金回収機能とか、在庫管理とかしか価値がない企業はインターネットに置き換えられていく。

では結局何が必要かというと「専門商社化」=「商社側が技術者や専門知識を抱えて、付加価値を作ること」が求められる。実際にそういう企業だけが成長している。

具体的に言うと132社のうち2割くらいが成長していっている。

というわけでそういう企業を見ていく。

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