ZOOM R8を7年間使用してのTIPS

初めまして、HOLLOW SHADEというバンドでギターを担当している嘉紀という者です。
今回は同期再生用MTRとして2021年においても未だに不動の地位にある、

「ZOOM R8」

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/164605/

この機種を7年以上実際に現場で使用してのスムーズな運用方法や役立ち情報等を書いていこうと思います。

発売から時間も経っており基本的な使用方法などは既に多くの人が書いていると思うので、

「ZOOM R8 使い方」

みたいに検索すれば基本的な情報は収集できると思います。
なのでここでは更に発展、応用編的な内容をまとめていこうと思います。
最後までお付き合い頂けると幸いです

①【物理フェーダーは外せ!!】

いきなり本体に手を加える荒っぽい内容なのですが、これはまず最初にした方が良いです!
残念な事にR8には物理フェーダーのロック機能が存在せず、ライブ中に万が一触れてしまったりした場合にメモリがズレてしまう可能性があります。

そのため、自分はそのリスクを避けるためにフェーダーのつまみを外してガムテープで固定しています。

こんな感じですね。
外したツマミはジップロックにでも入れて買い替えなどで売却する場合に備えて取っておきましょう。
(重要)

音量などをいじる際には物理フェーダーを使わず、
「PAN/EQ」のスイッチから「FADER」の値を数値としてトグルを回して操作して下さい。
曲ごとの音量の微調整も数値として捉えた方が容易です。


②【クリック音源にこだわれ!!】

R8の大きな利点として「自分で用意したクリック音源を使用できる」という物があります。
ドラマーによってクリックの音源には好みがありますので、同期担当の人は自分のバンドのドラマーとよく相談してクリック音源を選びましょう。

自分がよく使用する音源のDLリンクを貼っておきます。
大抵のドラマーには好評なので一つの選択肢としてお使い下さい。

https://www.dropbox.com/sh/69y5xf9ghsipz1k/AAAtZQlUHY11CwyFJXgpD6OUa?dl=0


③【シーケンスプレイを使え!!】

R8の便利機能なのですが、「シーケンスプレイ」
という機能を使う事で次の曲に移る際にドラマーの操作手順を減らす事が出来ます。
非常に便利なので使わない手は無いです。

ただしこの機能を使用するためには同期音源を2mixにまとめておく必要があるので、
「初ライブなのでMTRの各トラックに大まかに分けてたファイルで纏めてある」…といったケースでシーケンスプレイが使用出来ない場合もあると思います。

その様な場合でも、せめて各プロジェクトのファイルの先頭に「数字」を振る事によってMTR内での曲選択の際にスムーズに行えるようにしましょう。

同期バンドはドラマーの努力によって成り立っている事を忘れてはいけません。

(自分もシーケンスプレイを使わない場合、1文字目にバンドの頭文字、2文字にライブでの曲順を入れて管理していました。)

④【曲間の「間」にこだわれ!!】

上の内容とも被るのですが曲と曲の「間」、めちゃくちゃ重要です。
たった「1秒」の間が変わるだけでライブ全体の印象が変わってくると思っています。
同期を使わない生楽器だけのスタイルならドラマーのカウントのタイミングでコントロール出来ますが、同期バンドの場合

【ドラマーがMTRのスイッチを押す】

【プリカウントを聴いてからカウント】

という「間」が生じます。
この間を少しでも詰めてドラマーの本来スタートしたいタイミングに近づけるために
「同期音源の書き出し位置を詰めておく」
…という一手間を加える事でスムーズなスタートを行う事ができます。

同期を作成したプロジェクトの「プリカウント前の1小節」から書き出しとかしていませんか?
ライブ本番での張り詰めた空気の中では、
その間が本当に長く感じられます。

とはいえ短すぎてもドラマーに負担をかけてしまうので、ここもドラマーと相談しながら決めましょう。

同期バンドはドラマーの努力によって成り立っている事を忘れてはいけません。(2回目)

(※余談ですが、曲の前の余白を詰めるのとは反対で曲の後の余白は余裕を持って数分開けておくと良いです。シーケンスプレイを使用する場合再生が終わると自動的に次の曲に移ってしまうため、
曲間でボーカルが喋ってる間に次の曲の同期が流れはじめる…という悲しい事故を防ぐことが出来ます。)

⑥【ライブ前に必ず確認を!!】

①でフェーダーの固定について触れましたが、いくらガムテープで固定してもライブ前のスタジオ練習後、撤収の際にもしかしたらフェーダーに強く触れてしまっていて数値が変わっているかもしれません。

2mixを入れているトラックなら最悪オケが小さい、もしくは流れない程度でまだ良いのですが、一番危惧するべきはクリックが入ったトラックがズレていて「クリックが流れない」という事態です。
(余談ではありますが筆者は一度これを前バンドの解散ライブのラストの曲で経験しております。地獄です。)

必ずライブ前には最終確認を行いましょう



おわりに

ここまで読んで頂きありがとうございました。
R8は同期用MTRとして非常に優れた機材ですが、まだ改善の余地(特にフェーダーのロック関係)があると思いますので、ZOOM様にはこのような機材を開発してくれた事への感謝と共に一日も早く後継機種を出して欲しいと切に願っております。

「仕事は準備が8割」という言葉がありますが、
ライブ、特に同期バンドでのライブにも当てはまると思います。

最高の1秒を作るために皆さん一緒に頑張って下準備しましょう!

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