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692. NEJM Journal Watchより3本(2024/2/14)

1. Childhood and Adolescent Immunization Schedule: 2024 Update


新たに含まれるもの
乳幼児用のRSV免疫グロブリン(ニルセビマブ)
妊婦へのRSV preFワクチン(アブリスボ)
Mpoxワクチン:18歳のハイリスク者用
5価髄膜炎菌ワクチン(MenACWY-TT/MenBFHbp [Penbraya])

使用できなくなったワクチンの削除
二価COVID-19 mRNAワクチン
13価肺炎球菌ワクチン(PCV13)
ジフテリア・破傷風トキソイドワクチン(DT)
髄膜炎菌ワクチン MenACYW-D (Menactra)

推奨事項の更新
インフルエンザ:卵アレルギーの程度にかかわらず、特別な配慮なしに接種できる
ポリオ: 一次接種を終了している18歳で、ポリオウイルスに暴露されるリスクがある人に、不活化ポリオワクチン(IPV)を1回追加。

2. Real-World Development of E. coli Persister Strains

Proc Natl Acad Sci U S A 2024 Jan 16; 121:e2314514121.

大腸菌菌血症を再発する患者は、多剤耐性抗生物質耐性を促進する変異株を保有している可能性がある。

大腸菌、クレブシエラ、セラチア、緑膿菌菌血症患者の臨床分離株の中から、大腸菌株について詳細な解析を行った。11株の再発株のうち4株は、メロペネム曝露24時間後まで持続するコロニー形成数が多かった。最も持続菌数の多かった再発株は、ptsI遺伝子の機能喪失変異を有している株だった。初回株とptsI変異再発株を菌血症モデルでマウスに投与したところ、どちらも毒性は同等であったが、再発株はエルタペネムに対する感受性が10倍低かった。

3. Hypochlorous Acid–Producing Bandages: A Novel Treatment for Infected Wounds

Antimicrob Agents Chemother 2024 Jan 12; [e-pub]. (https://doi.org/10.1128/aac.01216-23. opens in new tab)

低濃度の次亜塩素酸を慢性創傷に投与し、創傷治癒を損なうことなく緑膿菌に対する抗菌効果を発揮する新規の電気化学包帯(e-包帯)を評価。マウスモデルにおいて、創傷に緑膿菌を感染させ、バイオフィルムを形成させた。包帯をテガダームのみ(対照)、電気を流していないe-包帯(HOCl産生なし)、または電気を流したe-包帯(HOCl産生)に分けて検討した。48時間後、創傷部の平均HOCl含量は162 μM(電気を流したe-包帯)、81 μM(電気を流していないe-包帯)、67 μM(テガダーム)であった。電気を流したe-包帯は、電気を流していないe-包帯およびテガダームと比較して、細菌数および膿疱スコアを有意に減少させた。創傷閉鎖はe-バンデージ処理に影響されなかった。

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