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648. PIDJ誌の3つの記事

1. Recommended Duration of Antibiotic Treatment for Immunocompetent Children With Salmonella osteomyelitis

Højagergaard MA, Thønnings S, Søes LM, Smith B. Recommended Duration of Antibiotic Treatment for Immunocompetent Children With Salmonella osteomyelitis. Pediatr Infect Dis J. 2023 Jul 21. doi: 10.1097/INF.0000000000004050.

サルモネラ骨髄炎に対する抗菌薬治療期間についての提言(体裁はケースレポート)。PääkkönenとPeltolaは最低20日間の静注期間を提案、Saavedra-Lozanoら3は最低3〜4週間の総治療期間を提案していた。両者とも、3ヵ月未満の小児、著しい骨破壊、敗血症、ショック、免疫不全、薬剤耐性や特殊なサルモネラの症例では、期間を個別に調整すべきであるという点で一致している。Saavedra-Lozanoらは、そのような症例では生後3ヵ月未満では少なくとも3週間の点滴、3ヵ月を超える小児には1~2週間の点滴療法を行い、4~6週間の最短治療期間を推奨している。同様に、Wenらは最低3週間の点滴治療期間と、4~6週間の合計投与期間を推奨している。

2. Is SARS-CoV-2 Infection Causing the Reactivation of Cytomegalovirus?

Yin B, Wu P, Zhu Y, Zhou S, Bai Y, Ding L, Chen Y, Zhu B. Is SARS-CoV-2 Infection Causing the Reactivation of Cytomegalovirus? Pediatr Infect Dis J. 2023 Aug 15. doi: 10.1097/INF.0000000000004048.

浙江大学でCOVID-19パンデミックによる再生産年齢のCMV感染の特徴を検討。2017年から2019年をプレパンデミック期間、2020年から2022年を厳重警戒期間、2023年1月からをパンデミック期間と設定。CMV-IgM検査対象者は113,055人で、全体の陽性率は3.42%(3867/11,305人)。2020年のCMV-IgM陽性率は2.03%で、以前より減少したが、2021年には以前のレベルに戻った。CMV-IgM陽性率は、SARS-CoV-2のピーク後に急増し、約10倍の32.60%に上昇した。各年同時期のCMV-IgM陽性率も解析したところ、同様の結果が得られた。

3. Cytomegalovirus Active Infection in Critically Ill Children

Schwab SC, Yamamoto AY, Aragon DC, Carlotti APCP. Cytomegalovirus Active Infection in Critically Ill Children. Pediatr Infect Dis J. 2023 Oct 1;42:875-882. doi: 10.1097/INF.0000000000004027.

PICUにおけるサイトメガロウイルス感染症の疫学、臨床的特徴、および転帰を記述し、死亡の危険因子を調査。2012年1月1日から2019年12月31日までに、4748例の小児がPICUに入院。35例(0.74%)がCMV感染が確認され、71.4%が免疫不全であり、11例(31.4%)が死亡した。死亡した患者は生存した患者よりも高齢であり(年齢中央値 65 vs. 5.5)、抗ウイルス療法を受けた期間が短かった(中央値 12 vs. 23日)。主な死因は敗血症性ショック(82%)で、死亡した患者の多く(73%)では、死亡前の最後のCMV PCRが陽性であった。PELODスコア>6は死亡の危険因子であった(RR 2.96)。血中ウイルス量は死亡の予測には不十分であった(AUC 0.62)。

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