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609. A pan-influenza antibody inhibiting neuraminidase via receptor mimicry

Momont C, Dang HV, Zatta F, et al. A pan-influenza antibody inhibiting neuraminidase via receptor mimicry. Nature. 2023;618:590-597.

NEJM Journal Watchより。

SARS-CoV-2を標的とするモノクローナル抗体の予防効果は、COVID-19パンデミックにおける治療上の大きな進歩であったが、これは、インフルエンザA型とB型の両方に存在するノイラミニダーゼ(NA)を標的とするmAbが開発されたという話題。筆者はIgG抗NA抗体価の高い健常人1人の末梢血単核球を用いて複数のmAbを作製したが、これらのmAbのうち3つはインフルエンザA(H1N1)だけでなく、インフルエンザBウイルスに対しても幅広い中和活性を示し、うち2つのmAb(FNI9とFNI19)はH3N2を阻害した。FNI9とFNI19の広範な活性は、レセプター分子の模倣とNAの酵素ポケットへの結合によるものであることが電子顕微鏡分析により判明。マウスにFNI9を用いると、mAbがマウスを致死的な感染から保護し、A型インフルエンザH1N1、A型インフルエンザH3N2、および2種類のB型インフルエンザで肺のウイルス力価を低下させることがわかった。FNI9は抗ヘマグルチニン(HA)抗体との相乗防御活性も証明され、この抗ヘマグルチニン(HA)抗体は全てのHA亜型に対して中和活性を示した。

ワクチンではなく、モノクローナル抗体。

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