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627. Signatures of AAV-2 immunity are enriched in children with severe acute hepatitis of unknown etiology

Mitchell MM, Leng Y, Boppana S, et al. Signatures of AAV-2 immunity are enriched in children with severe acute hepatitis of unknown etiology. Sci Transl Med. 2023 Jul 26;15(706):eadh9917. doi: 10.1126/scitranslmed.adh9917.

NEJMジャーナルウォッチより。
2020年後半からみられている幼児の重症肝炎(AHUE)の原因が、アデノ随伴ウイルス2型(AAV-2)である可能性。AAV-2はパルボウイルス科の複製不全ウイルスで、他のウイルス(アデノウイルス、ヒトヘルペスウイルスなど)との同時感染が必要であるが、これが原因である可能性が示唆されている(NEJM JW Gen Med Jun 13 2023)。米国では45%、欧州では52%のAHUE患児のみでヒトアデノウイルスが陽性となるため、他の要因が関与している可能性が示唆されている。この病因をさらに検討するために、研究者らはアデノ随伴ウイルスに特異的な抗体を求めて、AHUE患者9人の抗ウイルス抗体を調べた。

COVID-19パンデミック前に健康な対照群から採取した小児および成人の血清サンプルと比較すると、AHUE症例はウイルス病原体に対する抗体反応が同程度であり、パンデミックによる病原体曝露の遅れがAHUEの発症に関与しているとは考えにくいことが示唆された。複数のウイルス病原体に対する特異的エピトープ標的化を、目的の病原体に対する抗体反応の指標として定量化したところ、AHUE患者7人ではAAV-2に対する強い反応が確認された。ヒトヘルペスウイルスに対する免疫も一般的に認められ、AAV-2ヘルパーウイルスとしての役割を示唆した。

こう言っては何だが、面白い・・・。

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