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716. JAMA Medical News 1

1. β-Blockers After Heart Attacks Might Not Lower Deaths for Some

通常、心筋梗塞や心臓発作を起こした患者は、メトプロロールやビソプロロールなどのβ遮断薬を投与されているが、今回、5,000人以上の参加者を対象とした登録ベースの無作為化試験の結果から、心臓発作を起こした人の中には、死亡や再発のリスクを上げることなくβ遮断薬の投与を見合わせることができる人がいることが示唆された。
参加者はすべて左室駆出率が50%以上の患者。平均3.5年後、β遮断薬を投与された参加者の7.9%が心臓発作などで死亡したのに対し、投与されなかった参加者は8.3%であった。同様に、β遮断薬を投与された人の4.5%が再度心臓発作を起こしたのに対し、投与されなかった人は4.7%であった。
心筋梗塞を起こしたが左室駆出率が正常範囲にある患者には長期間のβ遮断薬は必要ない可能性があるとのこと。
(Yndigegn T, et al. Beta-Blockers after Myocardial Infarction and Preserved Ejection Fraction. N Engl J Med. 2024)

2. Swapping Salt for a Substitute May Lower Deaths, Reduce Heart Problems

食卓塩の代わりに代用食を用いると、全死因死亡率および心血管死亡率が低下する可能性があることが、『Annals of Internal Medicine』誌のメタアナリシスで明らかになった。このデータは、35,000人以上の参加者を含む16の無作為化臨床試験に基づいている。食塩を代用食に切り替えた場合、1000人当たりの死因別死亡数は5人減少し、心血管疾患による死亡数は3人減少した。研究者らはまた、主要心血管系イベントのわずかな減少も認めた。試験参加者の多くは高齢で、心血管疾患のリスクが高く、研究が中国、台湾に偏っていたため、この結果は欧米的な食生活を送っている人や心臓疾患のリスクが平均的な人には一般化できないかもしれない、と研究者らは指摘している。
(Greenwood H, et al. Long-Term Effect of Salt Substitution for Cardiovascular Outcomes : A Systematic Review and Meta-Analysis. Ann Intern Med. 2024)

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