見出し画像

666. NEJM Journal Watch 3本

1. Adjunctive Dexamethasone: Not Beneficial for Managing TB Meningitis in Advanced HIV Disease

HIV感染者の結核性髄膜炎に対するART + 抗結核薬へのデキサメタゾン追加のRCT。標準的なARTと結核治療(12ヵ月間)にプラセボまたは6~8週間の漸減デキサメタゾン(期間は結核の重症度に基づく)を加える群に1対1で割り付け。ART未治療患者については、結核治療開始後2週間以上経過してからARTを開始した。520人の成人が登録された。12ヵ月の時点で、デキサメタゾン群では44%、プラセボ群では49%が死亡(P=0.22)。IRISの発生率など、副次的評価項目の有害事象発生率も両者で同等であった。

2. Does BCG Vaccination Protect Against COVID-19?

BCGがコロナに効くという古の理論を再検証。デンマークの医療従事者を対象とした単盲検プラセボ対照無作為化試験。2020年5月から2021年1月にかけて、COVID-19既往のない医療従事者1221人を登録。COVID-19ワクチンが入手可能になった時点で登録は中止された。計画外欠勤の平均日数はBCG群で20日、プラセボ群で17日であった(有意差なし)。臨床的COVID-19発症は、BCG接種者43人、プラセボ接種者33人(有意差なし)。SARS-CoV-2抗体はBCG群で2.4%、プラセボ群で2.1%陽性であった(有意差なし)。

3. Ceftobiprole for MRSA Bacteremia: Coming to America?

MRSA菌血症に対するセフトビプロールの第3相ランダム化試験。複雑性黄色ブドウ球菌菌血症の治療で399人の患者をセフトビプロールの注射、またはダプトマイシンの注射に1:1で無作為割り付け。黄色ブドウ球菌菌血症の最も多かった危険因子は、最近の手術(40%)と糖尿病(35%)であった。軟部組織感染症例は61%(持続性菌血症は8%、心内膜炎は6%のみ)で、治療期間中央値は21日であった。治療成功率はセフトビプロールで70%、ダプトマイシンで69%であり、セフトビプロールの非劣性が示された。治療失敗は両群で同様であり、菌血症が消失するまでの期間の中央値は4日であった。有害事象も両群間で同様であったが、胃腸障害(主に悪心)はセフトビプロールで多かった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?