Day 28: "Not in the Position to Say"- 境界を尊重する - 1か月間連続ブログチャレンジ !

アメリカに駐在していた時、私は「Not in the Position to Say」という言葉を知りました。この言葉は、私が気に入っている概念の一つです。人と人との関わりには、踏み込んでよい領域とそうでない領域が存在します。そして、踏み込むべきではない領域に無理に自分の正義を押し付けようとする人には、私は苦手意識がありますし、自分はそうならないように気を付けています。

他人の領域を尊重し、「Not in the Position to Say」というスタンスを取ることは、責任逃れをすることではありません。むしろ、健康的な距離感を保ち、相互理解に基づいたコミュニケーションを育む上で重要な考え方だと思います。

この概念を最近、部下に説明する機会がありました。彼女はある企業の行動に対して強い不満を持っていましたが、私がその事情を聞いた上で淡々としていると、「そんなに腹が立たないんですか?」と驚かれました。そこで、「Not in the Position to Say」という考え方を共有したところ、彼女の怒りも和らぎ、「なるほどね」という考えに至ったようです。

我々が直接的な被害を受けた場合は、毅然とした態度で対処する必要があります。しかしそうではなく、単に文化や慣習の違いによって私たちとは違うやり方を行っていることは、戸惑うことこそあれ、怒ることではないと思います。

その時点で私たちに見えている相手の姿は、あくまで一時点のスナップショットであり、そこに至るまでには、我々が知らない複雑な歴史や多くの人々の想いが存在しているのではと思います。できればそれはリスペクトしたいです。

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