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驚くべき原玄達さんのこと

私の五十数年の人生の中でのダントツのエピソードです。ただ、私のつたない文章力でそのダントツさが表現できるか不安です。なにがダントツかは読んでのお楽しみ。

今から25年ほど前、私は東京の小さな事務所で働いていました。機械メーカーのショールームでした。購入予定の方が機械を見に来たり、使っている方からの修理の依頼を受けたり、小さいながらもそれなりに忙しい事務所でした。

ある日、私が電話応対をしていると隣席の社員(40代女性)が別の電話を受けていました。機械のトラブルのようで、「担当者(私)が他の電話に出ているので、折り返し電話します。」と対応してくれていました。私の長電話がようやく終わり、彼女から相手先の名前と電話番号を受け取り、折り返し電話をする前に使用されている機種を調べようと顧客データベースを検索してみました。

該当するお客様が見つかりません。名前は「原玄達(はらげんたつ)」さん。電話対応をした社員に確認すると「電話をかけてきたのは、女性だったから、原玄達商店かなにか、お店か会社の名前だろう。」という。

まあ、いいかと電話をかけようとするとちょうど電話が鳴った。「あっ、これきっと原玄達さんからよ。急いでるみたいだったから。」と言われたので、受話器をとると別のお客様だった。電話で話している最中にまた、「原玄達」さんから電話がかかってきているようだった。隣席の社員が「申し訳ありません。まだ、担当者が電話中です。」と対応している。

急いで用件を終わらせ電話を切り、「原玄達」さんからの電話を受けた。受話器の向こうで女性が言った言葉に私は息が止まった。止めないといけない状態になった。

「ハーゲンダッツです!なんども店の名前を申し上げたのですが、分かっていただけなかったようで・・・」と。

『ハーゲンダッツ』と『原玄達』似ている。必死で笑いをこらえながら電話応対を終え、思い切り笑った。


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