恋の一方通行『らんま1/2』第3話「好きな人がいるんだから」感想

雑感

今回は原作の4話を1話にまとめたエピソードになりました。
ああ、あのシーンないなぁとか分かるんだけど、分からないシーンも多い。シーンだけではなく、台詞が細かく削られていたりするけど、違和感がないように作ってある。上手く取捨選択してまとめ上げていると感じました。
原作のサブタイトルは「好きな女(ひと)がいるんだから」なのですが、アニメでは「女(ひと)」に限らず、「人」とすることで、あかねにも好きな人がいる、というダブルミーニングになってましたね。
乱馬役の山口勝平さん、あかね役の日髙のり子さんが「乱馬→あかねは一目惚れに近い」とお話しになっていたのを考えると、あかね目線だけでなく乱馬目線が入ったサブタイトルになりました。


あらすじ

乱馬とあかねが親が決めた許婚の仲だと知った九能は、乱馬に勝負を挑む。九能との勝負には勝った乱馬だが、あかねに気を取られ負傷してしまい骨つぎの東風先生の治療を受けることに。

あかねが東風先生に想いを寄せていることに気づく乱馬だが、東風先生の好きな人は…?
脚本:うえのきみこ
絵コンテ・演出:松林唯人
総作画監督:吉岡 毅
作画監督:山口仁七、松岡秀明、李美英

TVアニメ「らんま1/2」公式サイト

あらすじもサブタイトルダブルミーニング説を補強する感じ。
VS九能も原作では重要なイベントでしたが、アニメではさらりとしているのがあらすじからも分かりますね。
今回のアニメは全体的に乱馬とあかねの関係性に重心を置いているように見えます。

キャラクター

しんご、きいち

(CVしんご:奥村翔 きいち:浜田洋平)
えーと、乱馬の友人枠です。
旧アニメではひろしと大介だった人たちですね。
旧アニメではひろしCV辻谷耕史、大介CV子安武人だったふたりです。
個人的には今回、彼らの登場が正直一番嬉しかった…。
彼らは友人として乱馬に絡むんですけど、原作では名無しとは思えないほど存在感があるんですよね。
コースケといい、坂本といい、るーみっくの主人公友人枠は何となくハマる……。
新たな名前を与えられた彼らの動向に今後注視しましょう。
個人的には今後このアニメが続いて行くのなら、あのシーンをやってほしい……原作通りに!

みどころ

お金とプレゼントとかき回す女なびき

前半の笑いどころはここでしょう。
らんまが好きと分かった途端、いつの間にやら隠し撮っていた写真を売りつける女なびき。このアニメで一番おもしれー女なのでは?
らんまは5枚1組3000円。ここは原作と一緒。
あかねは5枚1組4000円。まさかの値上げ。
売れると見込んで値をつり上げたでしょうなびき……。
堂々と二股がけ宣言をする九能センパイが面白い。
あかねとらんまのイメージ像とか、原作よりゆるい風神雷神とか……。

「プレゼントだったら乱馬くん手渡した方がいいわよ」と言っちゃうなびきはやっぱり分かってて周囲をかき回しているな~と思いました。
「あの子の心も体もみ~んな乱馬くんのものなの」と言うところは確実に楽しんでいるだろう……。
地味に九能センパイの妄想シーンがなかったのがちょっと寂しい。
一方でぐつぐつ煮えたぎる九能センパイの頭脳の演出が派手になっていたので笑いました。

九能との対決

お預けになっていた九能センパイと乱馬の対決シーンが描かれます。
そういえば、最初の方であかねと一緒に九能を踏みつけるシーンがカットされてたのも、この男同士での初対決を印象づけるためでしょうか?
ここも細かいシーンとか台詞が削られていますが、全然違和感なし。テンポ良くサクサク進んでいきます。重要なシーンはしっかりと。写真に気を取られる乱馬に一撃を入れる九能。突きの風圧で石像を壊すシーン。「青いパンツは似合わねー」もしっかり入れてくれました。コンプラ的にアウトじゃないのか。
少し気になったのは乱馬が九能の急所に蹴りを入れる場面。
個人的に原作だと下から順番に蹴りを入れていると思っていたのですが、今回のアニメでは上から蹴りを入れてましたね。
些細な部分ですが気になりました。

結果はよそ見をして泣くほど痛い一撃を喰らったものの、乱馬の圧勝。この時点では乱馬が格闘の使い手として他を抜きん出ていることが分かります。

で、勝負の結末。
原作では、乱馬の余計な一言で、「ばき ぼき べき ぴしっ」と擬音で何が起こったか察せられる内容になっていましたが、アニメでは一瞬の間ののち、結果だけ示すことで内容が分かるようになってました。
ここは結構くすっときた部分。

東風先生と乱馬

あかねが乱馬の軽口で、本性を表してしまうシーンはこれまでのしおらしい演技と相まって「やっちゃった」感が現れていました。
でも、あかねを幼い頃から知ってる東風は決して驚かない。
また、あかねと乱馬を子供扱いしてあかねはこっそり傷つきます。

一方で東風はあかねを「やさしいいい子」と評します。
ここで「どこが?」と即レスする乱馬くん。原作での台詞枠が大きく力一杯聞いている姿が、アニメライズされました。いいですね。

乱馬に揶揄われて、むっとした表情になるあかねちゃんはかわいいですね。原作の良いところを上手く抜き出しているように思います。

東風に腰を細工されて立ち上がれなくなり、女になってあかねに負ぶわれるらんま。
オリジナルの「重くねーのか」の台詞が何かいい。
らんまなりの思いやりを感じます。

天道家の朝

原作の中で地味に定番化してた早雲がらんまの破廉恥な姿に遭う、行為に遭う早雲のシーン。
しっかりアニメ化されてて私としては笑顔。
歯ブラシは刺さらなかったけど。

かすみさんが『人体の急所』なる物騒な本を借りているのは、東風先生が間違えたから説が根強いですが[どこで?]、こういう細かいところで笑わせてくるのがるーみっくなんだよなぁ。大好きです。

学校のシーン

何故だろう。このアニメ、やたら男の泣き顔に作画コストを掛けている気がする……。

好きな女(ひと)いるんだから

後半の笑いどころ。
東風はかすみを前にすると挙動不審になるのですが、かすみには伝わりません。見てればわかるもん、との言葉通り、ただの面白い人だと化す東風。
かすみさんの「ごめんくださあい」の一言で一瞬でごきゅっと首をひねられる乱馬くん哀れ。

先に帰るあかねのシーンもカットされていますが、テンポよく進めるためにはいい取捨選択だと思います。

笑うとかわいいよ

相変わらずかすみにしか眼中にない東風の姿を見て、落ち込むあかね。
そこに子供っぽくも茶々を入れる乱馬は、やっぱ好きな子にちょっかいをかける姿そのものだなぁと思います。
道場での稽古で、怒ってばかりのあかねに一言言います。
「笑うとかわいいよ」。
隙を突かれたあかねが「ずるいっ」って言うのがかわいい。
余裕そうに口笛を吹く乱馬もかわいい。
……とこうして余裕こいてるけど、途中からパワーバランスが崩れるんだよなぁ。
簡単に「かわいい」と言ってしまえる乱馬は、後からすると貴重です。
好意は持っていたものの、そこまで本気ではなかったのかな?

その後。
風呂上がりでベッドに寝転ぶあかねの作画が気合い入りすぎてびっくりする。かわいすぎだろう。
「本気かなー」と見た鏡は、乱馬の余計な一言で無残にも割れます。
ここはアニメオリジナル。笑顔のままキレてるあかねちゃんいいね……。
ということで首が治らない乱馬くんでオチ。
『人体の急所』に気を取られがちですが、最後に乱馬が読んでいた本は『らくらく接骨』。じわっと笑えます。

次回

書くのが遅れてもう次回予告映像出てるよ!!!!!
次回はあの男が……来る……!!
楽しみです!!!

以上。

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