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白楽・春モード

ライブ : 花田裕之 “流れ” (横浜白楽・Brixton Market、2024年2月17日)


立春を過ぎ、暦の上では春。そして曇り空の週末。都会の人ごみに圧倒されながら電車を乗り継ぎ、2年ぶりに白楽へ。関東地方はおととい春一番が早くも吹いたそう。そのせいか?花田さん、曇り空も吹き飛ばすような白いシャツも爽やかに、颯爽と店内に登場。

定番の「Tell Me Why」(Neil Young) から、今回、私自身は初聴きの「たどり着いたらいつも雨降り」(吉田拓郎) まで、いつもよりやや曲数多めのプログラムだったように思う。全体的にテンポ軽やかに、また、コードで攻めてくるだけでなく、時にメロディーを感じさせるギターも印象に残った。間奏とか後奏とかに細かい装飾を加えてくるというよりは、組み立て直してるのかな、という感じ。とはいえ、ド素人の自分には実際、何が何だかよくわからないのだけれど(笑)。でも、いい波に乗っていいステージを見せてくれたのは確か。

ライブで聴く曲はひとつひとつ、それぞれに聴き応えがあるのだが、今回は曲と曲とのつながりという意味で、緩急のつけ方が面白かった。例えば、変拍子?っぽく軽やかな「だれかが風の中で」と「お天道さま」から、逆に素直でまっすぐなビートの「あて名のない手紙」にかけてのムードの変化。不意を突かれて、思わず「!」という感じ。休憩後の第二部では「道のはて」に続く「Hey Hey, My My」。これは勢いよく跳ねて飛ばしてくれた花田作品のおかげで、直後のニール・ヤング・ナンバーのずしりとした重さがより際立った。初めて聴く曲やレア曲との出会いも楽しいが、こうした曲同士の合わせ技も自分自身、「流れ」の最近の楽しみのひとつ。何にせよ、ライブは楽しんだもん勝ち、とかつて鮎川さんもどこかで語っていたし、楽しいことは日々、やっぱり多い方がいい。

どことなく軽快な春モードだった花田さん。まだ時季的には寒の戻りもあるだろうけど、このいい波をどうか乗りこなしていってほしい。


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