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Feelin’ All Right

ライブ :  band HANADA (横浜 Thumbs Up、2023年4月15日)

昨年11月、同じ会場で観たband HANADAも大変よかったのだが、今回はさらにそれを上回るよさ。お客の入りも体感的には前回より多かったかも。そのせいか、同じ観客エリアにいながら、客席から聞こえてくる拍手の音がひときわ大きなものに感じられたのであった。

この晩は「おいら今まで」「もしも」「なまずの唄」「ロックンロールの真最中」といったサンハウスのカバーが含まれていたのが特徴的。鮎川さんの曲、と花田さんもMCで触れていたので、ソロの「流れ」だけでなく、バンドセットでも鮎川さんへの追悼の意を込めて、ということなのだろうか。これについては、実は私自身やや複雑な心境。正直に言うと、鮎川さんがいないことを認めたくない気持ちの方が未だ強いのである。直接その姿を見ることはなくても、今もどこかで鮎川さんはギターを弾いている、と思っていたい。だから追悼ライブも観たい気がしない…。自分でもアマノジャクだとはわかっているのだが。

話がそれた。さて、サンハウスのほかには、ここ最近は不動の「お天道さま」から、久々の「Sadness City」や、初めて聴く「Till the End of the Day」(The Kinks)などの曲が折り込まれ、再聴の喜びあり、新しい発見ありで、あれやこれや息つくヒマなし。文句なく楽しいひとときだった。

しかもメンバー個々の演奏も充実。特に花田さんのギターが素晴らしかった。迷いがないというか、自信に満ちている感じ。聴いていて格好いいし、何より気持ちがいい。失礼ながら、こんな(に)ギターを弾く人だったのか、と認識を新たにしてしまった。今回はこの花田さんのギターをより前面に出した形で、バンドとしての音もとてもうまくまとまっていたと思う。攻めと守りの絶妙なバランス感覚と安定感。フロアから湧き上がる熱のこもった声援や拍手も、何ら疑問を挟む余地のない、至極当然の結果といえよう。

なお本稿のタイトルだが、これはステージで花田さんが「ガラガラゴロゴロ」の際、そのように歌っていたのを拝借した。気持ちよさげに幾度も繰り返されたこのフレーズが、この日のライブをまるっと表していたように思ったのである。Feelin' all right!の、ゴキゲンな夜だった。ありがとう、バン花!

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