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ロードサイドで見る夢は

ライブ :【無観客・生配信ライブ】 band HANADA “ROADSIDE” (渋谷・イケシブSTUDIO、2022年7月3日)

前回、band HANADAを観たのは2020年2月の下北沢だったから、2年5ヶ月ぶりのバン花である。嬉しい。

久しぶりにもかかわらず、何の前置きもなく始まった「お天道さま」から「back seat」まで、90分の配信予定時間を超過しつつの全15曲。

よく、ライブの第1曲目がステージのすべてを物語るといわれるが、この幕開けの「お天道さま」が大変よかった。 2年以上のブランクがあったとは思えない、会心の出来。全体的にみても、よくまとめ上げられた、素晴らしいライブだった。

構成は休憩なしの1部制であったが、個人的にはふたつ山場をみた思い。最初のそれは、場の空気も充分温まった5曲目「見はなされた夜」~「ガラガラゴロゴロ」~「遠くまで」の3曲。もうひとつは、終盤に向けての「お願いひとつ」~「シルクの夜」~「渡るしか」。ギター2挺の充実のソロや延々のアウトロといい、それらをしっかり受け止めるリズム隊といい、この音の雨にリアルで打(撃)たれてみたかった・・・。また、どの曲のどんな展開にも最後にきちんとカタをつける椎野さんのドラムはお見事。

さらに「渡るしか」の後、ステージを締めくくるラスト2曲の気が利いていた。ファンキーでノリノリの「渡るしか」で上がりきった熱が、「明日への橋」と「back seat」でゆっくりとクールダウン。昂った気分が徐々に平らかにならされていく感じ。こんな風にのせられるのは観客冥利に尽きるというか、とても、いい。「back seat」の花田さんのトレモロなギターの連続にも目が離せず。思わずPCモニターの前で自然と拍手が。そして、バックシートで夢を語ろう、と花田さんが歌うのなら、もうしばらくは、いや、ずっと、band HANADAにいい夢を見させて欲しいなあ、と聴き手としては思うのである。配信であれ何であれ、次回のライブも楽しみに待っていたい。

【 band HANADA “ROADSIDE” @渋谷・イケシブSTUDIO】
お天道さま/rollin’ on/ひとつ/freewheelin’/見はなされた夜/ガラガラゴロゴロ/遠くまで/Seven Days/rumblin’ lovers/路地裏のブルース/お願いひとつ/シルクの夜/渡るしか/明日への橋/back seat

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