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夏休みの宿題

ライブ:【有観客・生配信ライブ】 花田裕之 ”流れ”オンライン 下北沢2023・サマーサマーサマー編 ゲスト 柞山一彦(下北沢・ニュー風知空知、2023年8月18日)

暑い、暑い、暑い。日本各地で猛暑日数の記録を更新する2023年の夏。汗だくになりながら下北沢に到着。店の建物1階の入り口付近では、入場整理のスタッフにキャンセル待ちを問い合わせる人の姿を見かける。果たして会場はどうやら満席。これは店の外だけでなく中も暑く(熱く?)なりそうな予感。

どうも暑い中ありがとうございます、という花田さんの挨拶とともに「Crazy Love」でステージが始まる。今年3月に行われた「早春編」と同じく休憩を挟んだ 二部制、各セクションの前半は花田さんのアコギ、後半はそれに柞山さんがベースで加わる、という構成。

以下、印象に残った点をいくつか。

花田さん自身のオリジナル曲がいつもより多い感じ。特に第2部の前半、お楽しみはこれからだ、と言わんばかりに花田さんの曲が続く。最近はカバーにかなり比重がかかっていたような気がするから、こういった配曲は珍しいのでは。

また、「Pale Blue Eyes」(The Velvet Underground)や「The Needle and the Damage Done」(Neil Young)など、私自身初めて花田さんのライブで聴く曲が目立った。柞山さんとのプレイでこれが顕著だったように思う。シーナ&ザ・ロケッツの「ピンナップ・ベイビー・ブルース」と「ボニーとクライドのバラード」は予期せぬ選曲。とりわけ後者はびっくり。閉塞感漂うもの哀しいチューン。でも、実は好きな歌なので個人的には懐かしくもあり、嬉しくもあり。本編ラストの2曲「Walk on the Wild Side」(Lou Reed)と「What Goes on」(The Velvet Underground)は、ギター×ベースの相乗効果でぐっと視界が広がっていくようなわくわく感。今回、私の「流れ」初聴きナンバーは計7曲。いずれもとてもよかった。

そして、ふだんは寡黙な花田さんが、この晩は度々曲の冒頭に何か短い言葉を添えていたのが心に残った。「鉄橋の下で」ではパンタの、シナロケの「ピンナップ・ベイビー・ブルース」では鮎川さんの名前に触れる。そういえば、今夏はふたりの新盆だったか。お盆の送り火はもう過ぎていたけれど、もしかしてまだその辺にふたりして居残ってて、ステージを見てくれていたかもね・・・。

さて、アンコールは花田さん曰く「これがいちばんヤバイ」という触れ込みで、柞山さんと一緒に怒涛の「新型セドリック」。続いて吉田拓郎の「夏休み」で幕。なぜかルースターズで拓郎、そういう丸め方も「流れ」ならではか。

花田さん単独の部、柞山さんとのデュオの部、それぞれにふたりともきちんと夏休みの宿題を仕上げてきた感じ。もし、私が件の「夏休み」に歌われているような「きれいなねえさん先生」だったら、ぜひともふたりに「たいへんよくできました」のハンコをぺたんと押してあげたいところ。だが、あいにく自分はきれいなおねえさんでも、先生でもなく、それは叶わず。残念(笑)。

【花田裕之 ”流れ”オンライン 下北沢2023・サマーサマーサマー編 ゲスト 柞山一彦】
Crazy Love/お天道さま/風の中に消えた/鉄橋の下で/あて名のない手紙/汽車はただ駅を過ぎる/Dead Flowersピンナップ・ベイビー・ブルースAlbuquerqueSOSPale Blue Eyes//(休憩)//路地裏のブルース/あの頃さ/Beginning/シルクの夜/The Needle and the Damage Done/曲名不明(夢か幻か)/ボニーとクライドのバラードWalk on the Wild SideWhat Goes on//(アンコール)//新型セドリック夏休み (太字=花田&柞山)

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