なつかしの香り

 いつもお酒を飲みにいくと大量に飲んでしまい貯金がろくに出来ない私ですが、いつも同じ失敗をしていてはホントに破産をしてしまうので時々はセーブをしたりします。自炊か、居酒屋でない店に行くという2つのどちらかです。

 この前は久しぶりに自由が丘のカレーが食べたくなり途中下車をしてみたのですがなんと定休日。なんと頭にくることでしょう。珍しくお酒を飲まずに身体にもお財布にも優しくしようとしたら定休日。もう私を静めてくれるものはお酒しかありません。私が酒に潰れて貧乏になっていくところがそんなに見たいのであれば見せてあげましょう、という気分ですね。

 しかし、自由が丘のいつもの居酒屋街とはまったく逆方面。さてどうしようかと思ったらお隣に焼き鳥屋さんがあるではないですか。これも何かの縁です。暖簾をくぐればかなりの繁盛振り、階段には多くのサインがずらり、つり吉三平など漫画家さんが多いのでしょうか。いや、しかし座敷のある居酒屋は久しぶりで気持ちがいいものです。椅子席よりも隣との距離が近い感じがします。

 真後ろの接待であろうサラリーマンの話を聞きながらメニューに目を通すと大島など小笠原諸島近辺の魚が多いようで、少し高めのお刺身を頼んだら黒ラベルで乾杯。

 2杯目は何にしようかと悩んでいたら、見つけました。青ヶ島の焼酎「あおちゅう」青ヶ島とは小笠原諸島の中でも太平洋側にあり、外見は緑に囲まれた要塞のような、そう、噴火の形そのままのドーナツ型です。

 こんな珍しいお酒を飲まないわけにはいけません。すぐさまロックで注文して口に運ぼうとしたときに、懐かしい香りが私の鼻を襲いました。

 それは「カブトムシのゼリー」のにおいでした。

 こんな焼酎は初めてです。うまいまずいではなく、カブトムシの気分を味わえるのです。いったいなにで作っているのか。たぶんカブトムシの好きな食べ物が原材料に入っているのでしょう。しかし、呑む度に笑いが出てしまいます。

 行きつけばかりに、溜まっていた私によい発見となりました。これなら5000円も惜しくないはず…。

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