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二時間だけの遊び場

東京・尾山台駅前のハッピーロード商店街では歩行者天国の期間限定で芝生をだして路上活動のプロジェクトを行っています。屋台活動をしている私は知人の紹介で今回足を運びました。

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 活動が始まったのは3年前。歩行者天国の時間を上手く活用できないかとタカノ洋品店さんのご主人と大学生と一緒に机などを出したのが始まりでした。
 車通りも少ないとは言えない商店街が16時になると通行止めの看板が出され、それと同時に芝生マットと一緒に机や椅子が現れるのです。すると10分もしないうちに常連さんらしき方々とあいさつが聞こえてきます。とはいっても別になにをもてなすわけではなく子どもたちは家からボールを持って来たり「けん玉」をしたりしながら学校でも出来事を話したり、他愛ない会話を楽しんでいます。
 30分もすればどこからともなくゾロゾロと小学生たちが集まってきて近くの駐車場で鬼ごっこをしたりしながら遊び始めます。歩行者天国になっているため車が入ってくることがない駐車場は格好の遊び場です。そして、各々が自分の使いたいように道路を自分の遊び場に変えてゆきます。
 そして、18時には規制が解けてしまうので20分前には芝生をまとめるなどの撤収作業を子どもたちや大人など全員で行い、18時には元通りの車通りの多い商店街の姿に戻っていきます。

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 たった2時間の通行規制の間に幻のような広場は忽然と現れ、風の様に消えてゆきいつもの日常に戻ってゆきます。しかし、その2時間だけの幻でも多くの人の拠りどころになっているということを感じることができました。また、毎日行っているわけでないからなのか集まる人たちはそこまで相手のことを知りません。遊んでいる子どもたちも実は初対面同士だったりするのです。友だち同士が集うところではなく、偶然的に集まった人たちと一緒になっていかにその瞬間を楽しく過ごすかを感覚的に探してゆきます。そしてその関係は歩行者天国の解除と同時に元に社会に戻っていくのです。それは様々な関係性で作られている社会とは全くの別物で全く新しいコミュニティのあり方なのだと感じました。

 そしてこの場所が成立をするのはどんなことがあっても受け入れてくれる人の存在があるからこそ、安心して見ず知らずの他人とも関係性を築くことができているのだと思いました。作られた場所ではなく自分たちで自分の居場所を大切にしてゆくという経済活動とはまた別の地域との関わり方を教えていただきました。

 そして私も来週から、この歩行者天国で屋台を出したいと思います。当初は桜新町で行っている屋台の形態に近いものを考えていましたが、それでは今まで作ってきたこの空間の価値を最大限に生かせないと思ったので、これから一週間かけてどんな屋台にしようか考えていこうと思います。そして、誰よりも楽しく商店街と戯れたいと思います。乞うご期待。

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あと、街中掲示板が本当に良い活動でとても参考になりました。これは誰でもできるのでぜひ広まってほしい活動だと思います。

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