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参加型社会宣言と29歳を迎える私

 ひと月ほど前に橘川さんの新刊「参加型社会宣言」が発売されました。
 私は割と橘川さんと近いところにいたためそのような話がでてくるのだろうかというワクワクよりも、橘川さんの言葉がコロナというこのタイミングでどういった文脈で整理をされているのだろうかということに関心がありました。
 新刊には橘川さんの私塾「リアルテキスト塾」を受講したことのある人間は聞いたことのあるなというフレーズが幾つか出てくるのですが、なぜだか読み飛ばすことなくもう一度熟読をしてしまうのです。私は一回どころか三回も四回も聞いているはずの話なのにです。そして同じ内容のはずなのにいつも別の感情を抱いているのです。
 最初に聞いたのは22歳の大学生でした。その頃は言葉を拾うのが必死でこういう考え方があるのかとノートにメモを書き残し、家に帰って読み返していました。次は社会人になった23歳。生活が一変し社会に順応しなくなくてはと思っていた私には橘川さんの言葉が自分を取り戻せるような場所になってしました。会社を辞めて深夜アルバイトで食いつなぐ24歳~26歳は大丈夫だと背中を押してくれるとても温かい存在でした。そして29歳になる今年、屋台が定着してきてこれからの展開をと考えていた時にコロナと直面し、目先のことしか見えていない私に気がつくことができました。そして、「自分で歩けよ」と今の私が目をそらしたくなるような現実を突きつけられているような気もしています。

 この本のテーマは同じ時代を生きる仲間集めなのだと私は思っています。今まさに「zoom革命」の著者でもある田原さんを中心に100人以上のメンバーと一緒に読書会を行いながら意見交流を深めています。そして、この本の意味は読むことではなく、読んだ先にどうやって動いていくのか各読者の参加が肝になっています。一冊の本を読んでその言葉に触発された個人がまた繋がり始めるそして、その中から新しい未来を作っていく。まさに「よはとつ図形」そのものだと感じています。そして本にも記されていないあとがきにこそ本当の意味があると私は思います。そして、その中に入りきれていない私というところに今のメッセージがあると思うので日常に流されずに向き合いたいと思っています。

 「時代と生きる」新刊の出版パーティでとても印象に残っている橘川さんの言葉です。そして同時に「インタビューとは時代にインターすることだよ」教えてくれた近藤さんの言葉がよみがえりここ数日「時代」とはなんなのかを考えています。時代とは今私だけの話ではなく、昨日生まれた0歳児から明日死んでしまう90歳まですべて同じ時代に生きています。もしかしたら記憶という意味では死んでしまった人すらも時代の一部なのかもしれません。そんなみんなが参加をしたくなるような「時代」であればいいと思うし私もその一員でありたい。


 新刊にはわたしの行っている「もちより屋台」のことも公私融合空間として取り上げてもらっています。本当にありがとうございます。私の活動を橘川さんの本で取り上げてもらえるなんて夢にも思いませんでしたし、こんなに嬉しいと思う事はありませんでした。そして、その感謝は社会に組み込まれる仕組みとなることが一番だと思っています。そのためにも今やるべきことをしっかりとやりながらも関わる人が少しでも自分や時代と向き合うことのできる空間にできればと思います。

 

 
 


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