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「無職ニート、60万円で家を買う」を不動産ウォッチャーが評価してみた。


 あっという間に夏休みが終わってしまいましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 連日のように猛暑・激暑・スクショで、汗なんだか汁なんだかがどっと噴き出す毎日です。コロナと熱中症で世間は大変なことになっています。

 いちおう夏休みなので、この間、こどもたちと一緒にとある施設に遊びに行ったら、入り口でサーモグラフィーによる検温がなされていて、

「37.5度あります!!!」

とアラートではじかれてしまい、ビックリしました。なんでも、炎天下を歩いていると、すぐに体表は熱を持ってしまうのだとか。コロナでもないのに、入場規制されてしまったので、しばらく待ってから再度挑戦すると平熱に。恐ろしい事態ですね。


 さて、無職でニートであるという方が、60万円で空き家を買った話が一部で盛り上がっていたので、「不動産ウォッチャー」の目線でこのお話を評論してみたいと思います。


『無職でニートでも家を買ったお。お金ない人ほど、低所得の暮らしをしたい人ほど家を買うことをおすすめする理由。60万で一軒家+土地買ったから言えること』

http://jurnyoflwh-is.com/blog/2020/08/03/%e3%80%90%e5%a4%a2%e3%81%ae%e3%83%9e%e3%82%a4%e3%83%9b%e3%83%bc%e3%83%a0%e8%b2%b7%e3%81%84%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f%e3%80%91%e7%84%a1%e8%81%b7%e3%81%a7%e3%83%8b%e3%83%bc%e3%83%88%e3%81%a7%e3%82%82/


 ちょっと前に「フリーター、家を買う」という物語があり、ドラマにもなっていましたが、実は所得が多くない人ほど、「家を買う、所有する」ということは意味と価値があります。

 ただし、その所有は「高い家を買う」ということではありません。ごくごく基本的な公式があるとすれば、

「月々、賃貸やリースで支払う金額の合計よりも、中期もしくは短期で支払い合計が少ないならば、所有し、買ったほうが絶対に得である」

というシンプルな公式です。

 わかりやすいカーリースで考えましょう。

 カーリースの相場は月1万から3万程度ですが、その車を3年乗るとして36万円から108万円支払うことになりますね。

 その時、「残価設定がどうこう」とか、「グレードが」とか「車種が」とか、いろんな要素が入り込むので僕たち私たちは「わけわからなくなって騙され」ますが、結論から言えば、

「3年でつぶれる車が30万円で買える」のならば6万円もオトクです。

「3年しか乗らない上位車種の中古が100万円で」見つかれば8万円もオトクです。

 つまり、おしりの期間が決まっていて、かつ総金額がわかっているのであれば、シンプルに支払い合計が少ないほうが絶対に得だと言える訳です。


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 この「期間と総金額」の公式さえ頭に入っていれば、人生をお得に過ごすことはいくらでもできます。

 ブログ主さんの購入した中古家屋は、空き家バンクでみつけた60万円の家ですが、たとえば、私の住むエリアだと、ワンルーム賃貸の相場が月5万円ですから、

5万×12カ月=60万円

なので、

1年間とあと1日生存できれば、その家を買ったほうがお得である、と瞬時にわかります。

 圧倒的に、ブログ主さんがその家を買った選択は正しい、と言えるでしょう。

 私も、個人的には「半額になった家を2軒買う」ということをやっていますので、たいへん共感するところです。

 さすがに60万円は極端ですが、「300万円で家を買う」ときの注意点をその昔記事に挙げたことがあるので、紹介しておきましょう。


https://kotaro-yoshiie.blogspot.com/2019/03/blog-post_3.html

https://kotaro-yoshiie.blogspot.com/2019/03/blog-post_56.html

↑で特に大事なポイントをピックアップするとすれば、「土砂崩れや洪水などの危険がないかの立地」の問題、「別荘地を避ける」こと、「修繕は自力」で、というあたりでしょうか。

 あとは、なんとでもなることが多いです。

 そもそも、500万円以下の値段がついているおうちは、「気分」みたいなもんですから、それが「400万なら安すぎて、600万ならぼったくり」なんてことは全然ありません。

「もう200万でもいいわ!」

という気分次第の価格ですから、価格はそもそもあってないようなものです。その意味でも60万円のおうちは、当たりだと言えるでしょう。

 さて、写真が載せてあるので、内覧気分で評価を書いておきますね。

◆ 風呂がユニットバスになっている。水まわりがちゃんと動作するなら当たり。

→ 築年数から考えると、元の風呂はタイル貼りかなんかだったはず。一度リフォームが入っていると考えられるので、儲け。

◆ 一部雨漏りらしき天井のズレがある。雨漏りでなく、ただの板はずれならOK。雨漏りの場合は屋根が板金なので、素人で加工しにくい。瓦屋根だったら一枚単位で直せるのになあ。

→ もし、屋根雨漏りがある場合は、短期的に細かくメンテするなら貼り付けできるシートがあるので、自力補修を数年単位でやってゆくのもアリ。板金屋根を全体に直すのは屋根屋さんでないと無理。

◆ パッと見、居室は綺麗。これも当たり。建具も丁寧。まず、残置物がないのが当たり。

→ 古家は残置物で溢れていて、「処理してくれるならこの値段でいいよ」ということになることも多いので、からっぽになっていての譲り渡しなら大当たり。

 処分費だけでけっこうお金が出てゆくので。

◆ 物置?の小屋は状態が悪ければとっぱらってしまってもいい。そのうち朽ちて傾くので。庭木などは思い切ってすっからかんにしたら、より住みやすく。

→ 昔の戸建はちっちゃくても庭木や庭があったほうが人気でしたが、今のトレンドはなーんにもないオープン型の外構が流行です。別に塀をとっぱらう必要はありませんが、草木はすっかりなくしてしまってもよいかも。

◆ 平屋建てはGOOD。何をするにも修繕しやすい

→ 2階建ては自力で修理するときにけっこう負担が大きいです。構造的にもこの年代の建物は地震に弱かったりするし、最悪2階に押しつぶされるので。

 しかし、平屋だと、屋根に上ってメンテもできるし、構造が不安なら柱を増して取り付けしたり、金具まみれにしてガチガチに固めたりしても、素人レベルでも効果があります。ましてや屋根が板金なので軽量のため、コケることはないと思います。安心。

 ぶっちゃけ、屋根が傷んでも今の上からコンパネをビスもみして、下葺き材を張ってシングル屋根材を自力で張っても十分屋根が再生できます。

 その意味でも、面白い物件だと思います。


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 とまあ、他人様のおうちを勝手に拝見してあれこれ言ってしまいましたが、もしこの物件が私の住んでいるエリアにあったら、200万でも買いますね。

 遊ぶのにはもってこいだし、賃貸に出しても借り手はつくでしょう。


・・・最大の問題は立地が「秋田」だということなのだけれどね・・・・。てへへへへ。



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