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小手毬に託す

 森野 しゑにさんが、これまで描いてきたお花の絵を「みんなのフォトギャラリー」で公開されていらっしゃいます。

 森野さんが三浦春馬さんのために描いたというお花たちは、とても繊細で美しく、私は長いことそのタッチに憧れていました。そのお花たちのシェアとあって、すぐに「みんなのフォトギャラリー」に飛びました。

 森野さんの絵は、お花の絵にもうっとりしますが、三浦春馬さんを描いた絵も素晴らしいのです。森野さんの記事に接する度、三浦春馬さんが出演された映画やドラマを思い出しては、才能に溢れた、あまりにも惜しい俳優さんをそっと悼んでいます。

 昨日、親友の大切な人が旅立ちました。
 家族葬で送るということで、何をすることもできません。
 せめて何か彼女をいたわる言葉をと思いながら、結局はなんの言葉も出てきませんでした。何もできず、何も言えず。そんなとき、悼む心を表すのはやはりお花なんだなと思います。人の心の、言葉にならない思いを伝えるのは、お花しかないような気がします。

 今日、4月23日は、サン・ジョルディの日だそうです。
 寡聞にして知りませんでしたが、本と花を贈り合う日、なのだとか。
 スペインのカタルーニャ地方の伝説がもとになっているそうです。

 サン・ジョルディは、スペイン語で サン・ホルヘ、古代ギリシャ語ではゲオルギオス、英語ではセント・ジョージ、カタルーニャ語でサン・ジョルディと呼ばれる、キリスト教の聖人だそうです。
 ヨーロッパでは、ドラゴンの生贄にされそうになっていたお姫様を助けてドラゴン退治をした伝説「ドラゴン退治の聖ゲオルギウス」が有名で、ゲオルギウスがドラゴンを倒すと血が流れ、そこから真っ赤なバラが咲き、その花をお姫様にプレゼントしたことから、ゲオルギウスが殉教した4月23日に花を贈り合う習慣になったそうです。
 
 また、この日は『ドン・キホーテ』で有名なセルバンテスやウィリアム・シェイクスピアの命日にもあたることから、いつしか男性が女性にバラを、女性が男性に本を贈るようになったのだそうで、そう言われてみれば花も本も、口頭での言葉は介さないけれど、その存在が強く心に作用するものです。「言葉にならない思い」を本に託す、というのも、花を贈るのと似ている行為なのかもしれない、と思います。

 森野さんのイラストを検索したら、いくつも美しいお花の絵がありました。どの絵も素晴らしいので迷いましたが、今悲しみのさなかにある親友にと「小手毬こでまり」を選びました。

 バラ科の植物で、花言葉は「友情」だそうです。

 森野 しゑにさん、大切な絵をシェアしてくださって、ありがとうございます。

 
 
 

 

 

 

 

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