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【ニュース解説】企業型確定拠出年金の放置年金2,400億円はそもそもの仕組みが原因です。


こんばんは。大森祥弘です。

今回の動画なんですけども先日ですね、先日といっても結構前なんですけど新聞でここ 5 年で企業型確定拠出年金の手続きをせずに新聞では日経だったかと思いますが、放置年金が2400億円、5 年で7割り増しっていう記事があったんですよ。これについて私の考え方も含めてお話をしたいと思います。

企業型確定拠出年金は退職した後、移換手続きを社員(個人)がしなければならない

退職すると企業型確定拠出年金に入っているグループから抜けるので、難しい言い方をすると加入者資格の喪失ってことになります。企業型確定拠出年金のグループの一員ではなくなると例えば、外国株式とかでS&P500とか何でもいいんですけども全て解約する必要があります。

一旦、時価額に直したらその資金は転職先に確定拠出年金があれば移して、または個人型の確定拠出年金(iDeCo)を作ってそこにお金を移してっていうことで2022年の10 月以降は選択肢が主に2つできますね。

無理に勤務先の企業型確定拠出年金に移す必要はなくてiDeCoに移すこともできるし、後は確定給付企業年金を転職先がやっていれば、“くっつける“こともできます。
*“くっつける“の説明はまた今後、機会があればということで基本的には企業型確定拠出年金を移すのは主にこの2パターンと思っています。

あともう1つですね、企業年金連合会に移換できるようになったので、選択肢は3つと言うことですが退職後、解約して時価にしたものを移換することを忘れちゃったりとか、ずーっとほったらかしにしてるとどうなるかっていうとその資金が全く運用されないし、管理手数料みたいな形で国民年金連合会って親玉がいるんですけどそっから手数料を取られたりしてってことに加えて、年金をもらうときに国民年金と厚生年金みたいに何年加入してたの?っていう加入時間の考え方が必要なんですが、このほったらかしにして放置してた間っていうのはその期間にカウントしないんですね。

例えば、15 年放置してましたってなったとしたら年金を60歳以降、何歳から払うかを計算するための期間として15 年とは見てくれないんですね。

ほったらかしだから、どこにも入ってないので何年企業型DCやiDeCoに加入していたという期間にはカウントされないんですよ。それで、新聞であるように手続きしましょうといって書かれていました。

私がこの退職後に企業型確定拠出年金の手続きをせず、“放置年金“とされた資金が2,400億円あるといった話についてどう考えたかというと「なんで退職した人に手続きをさせてるのか?という本質的な仕組みの問題に誰も触れない。このぐらい放置させている仕組みだということに結果的に気づかないの?」っていうことですね。

分かりやすく補足すると、ユーザー視点が欠けているんですよ。「2500億円手続きされていない仕組み」がおかしいんですよ。5 年で7 割増えてくるんだったら、今後、どんどん増えてくるでしょう。

さらに内情を話すと未移換者(企業型確定拠出年金について退職後、手続きをしていない人)は外国人が多かったりいろんな事情があったりするかもしれません。

だから加入してた社員の方が手続きをしなければいけない意味がよくわからないですね。私が例えばA社っていう会社にいて、S & P500一本で運用するとしますよね。B社に転職する時に一旦、このS&P500が現金化されるわけです(時価で現金として置かれる)。それで2、3ヶ月位したら、B社の企業型確定拠出年金にS&P500があったとしたら買い直すわけです。

運用商品に詳しい方なら分かると思いますけど、企業が契約している金融機関は違えど商品は同じなんですよ。それなのに、退職するっていう理屈で1度現金化されるんですよ。時価に直すっていう仕組みが変で。
私、あまり興味なかったんですけど、自分のiDeCoどこに入ろうと考えたりとか、このYouTubeで結構コメント頂いたり、質問頂くことがあって。

50 代の方も多いんですけど、最近ありがたいことに投資とかに興味を持ち始めた20代の方とかもいらっしゃってありがたいんです。そういう人達もいるのですが、「なんでこんな仕組みにまだしてんの?」っていうのが大人の事情なんですね。

で、その大人の事情に誰も突っ込まないし、メディアも突っ込まないからいかにも新聞の記事の印象として手続きしない人が悪いっていう風に見えちゃうでしょう?

全然そんなことないです。手続きしない人が悪いんじゃなくて、手続きしないとそういうことになっちゃう仕組みがおかしいんですよ。

iDeCoについては転職したから何か手続きがいるかというと基本的には何もいらないです(iDeCo+を除いての話ですが)。

ちょっとニュース解説っぽい動画なんですけど、もっとお話をさせて頂きたいと思いました。最後までご覧いただきましてありがとうございました。

こういったニュース解説も今後やっていきたいと思います。
“こういうものを解説してほしい“などありましたら、YouTubeのコメント欄などで教えてください。

大森祥弘でした。