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【2024年補講】具体例解説!転職時、退職時に損しない確定拠出年金の移換(企業型DC vs e MAXIS slim全世界株式)

退職金・企業年金コンサルティングチャンネルを運営しております大森祥弘です。

今回の動画では、転職や退職時における企業型確定拠出年金の損しない移換というテーマで解説します。

ズバリ前職の確定拠出年金の資産を移換する際に損しないためのポイントとして、オルカンファンドで人気のe MAXIS slim全世界株式を具体例として取り上げ企業型DCのオルカン商品との比較を紹介しながら解説していきます。

私がiDeCoへの移換をお勧めしている理由がわかると思いますのでぜひYouTube動画ご覧いただけると嬉しいです。

YouTube動画はこちらからご覧頂けます

動画のまとめ

  1. 転職や退職時に損をしないための確定拠出年金の選択肢についての解説:この動画では、転職や退職時に確定拠出年金をどのように扱うべきか、具体的な選択肢として企業型確定拠出年金(DC)と個人型確定拠出年金(iDeCo)の比較を行い、特にiDeCoへの移管を推奨しています。

  2. iDeCo一択の理由とは: iDeCoを選ぶ主な理由として、長期的に低コストで投資ができる点を挙げています。信託報酬が安いため、長期的な資産形成に有利であると説明しています。

  3. 選択肢の比較: 企業型DCとiDeCoの選択肢を比較し、特に手数料のうち信託報酬の面でiDeCoが有利であることを強調しています。具体的には、投資信託の選択肢や手数料の安さが長期的な資産形成において重要なポイントであると述べています。

  4. 具体例による解説: 2024年のケーススタディとして、企業型DCとiDeCoのオルカン商品を比較し具体的な金額の差を示しながら、iDeCoと企業型DCの選択肢を解説しています。

  5. 投資信託選びの重要性とは: iDeCo加入後の投資信託選びにおいて、手数料の低い商品を選択することの重要性を強調しています。長期的な視点で、コストの低い分散投資が資産形成において重要であることを説明しています。

動画の要約(note補足解説)

企業年金の移換というのは、事務手続き的な性質だけではありません。
皆さんが勤務先で積み立ててきた資産を今後、どのように運用していくかを考えるタイミングとも言えます。

2022年10月の法改正により、企業型確定拠出年金(企業型DC)と個人型確定拠出年金(iDeCo)への同時加入が可能になりました。

したがって、転職先の企業が法人契約している金融機関の企業型DCありきではなく、iDeCoに加入のうえ前職の資産をiDeCoに移すという選択を取ることができます。

なぜ私が企業型DCではなく、iDeCoへの移換を推しているのかここから解説します。

結論、iDeCoのほうが毎月の口座管理手数料を自分で払う必要が生じるものの、いざ受け取る60歳以降までの長期において毎日、取られる信託報酬が低い運用商品で運用したほうが信託報酬が低い分、実質的な利回りが手数料分下がらないからです。

少し補足解説すると、資産額に一定の率をかける信託報酬というものが存在します。この信託報酬が低い方が望ましいのですが、これが一般の方にとっては非常に理解しにくいことがあります。

そのため、”運営管理手数料無料”のほうが安く見えたりします。

信託報酬については、その理解が難しいものです。
たとえば、私もこの業界に身を置いていなければ、信託報酬の率が1%以上であるか、それとも0.何%であるかの違いを理解していなかったでしょう。

ただ、シンプルに信託報酬って消費税みたいなものだと捉えてください。

今のご時世、1日に1度も何も買わないという方あまりいないと思います。コンビニとか行きますよね?

消費税8%かかると思います。毎日、毎日、どこでも8%取られる。そんな感じです。

簡単に言えば、資産から毎日差し引かれる消費税(信託報酬)が低いければ運用商品のパフォーマンスが良いのです。
(リターンから毎日、信託報酬を引いた額が実質的なリターンになるからです)。

しかし、ここまで話してもまだピンと来ない方がいるかもしれません。
そのため、次に具体例を交えて解説することで、理解を深めていきましょう。

最近は、ChatGPTなどのツールを利用して、さまざまな情報を深く理解することができます。

ここでは私が個人的に作ったファンドアナライザーというGPTsツールを使用して、具体的な投資信託の商品を比較します。

今回は、企業型DCのオルカン商品の例として三菱UFJ外国株式インデックスとiDeCoのオルカン商品の例としてe MAXIS slim全世界株式を比較してみましょう。

A:三菱UFJ外国株式インデックス
信託報酬は0.21%、平均利回りは年6%と仮定します。

B:e MAXIS slim全世界株式
信託報酬は0.05775%、平均利回りは同じく6%と仮定します。

20年間毎月2万円積立てた場合の20年後の資産額はどうなるか、AとBのどちらが良いのかChatGPTを使用して計算した結果、三菱UFJ外国株式インデックス(A)を選択した場合、20年間毎月2万円積立てた結果の最終資産額は約8,865,691円になりました。

一方、e MAXIS slim全世界株式(B)の場合、最終資産額は約8,972,953円になりました。

AとBの投資信託商品の最終資産額の差額は、約180,402円でした。

信託報酬が三菱UFJ外国株式インデックスは0.21%、e MAXIS slim全世界株式は0.05775%であることから、この差がどれほど影響するかが明らかになります。

import numpy as np
定数設定
月次投資額 = 20000 # 毎月2万円
投資期間年 = 20 # 20年間
月数 = 投資期間年 * 12 # 月数に変換
A 三菱UFJ外国株式インデックス(企業型確定拠出年金の投資信託)
A_信託報酬年率 = 0.231 / 100 # 年率に変換
A_平均利回り年率 = 0.06 # 年6%
A_月次利回り = (1 + A_平均利回り年率) ** (1/12) - 1 # 月次利回りに変換
B e maxis slim 全世界株式(iDeCoの投資信託)
B_信託報酬年率 = 0.05775 / 100 # 年率に変換
B_平均利回り年率 = 0.06 # 年6%
B_月次利回り = (1 + B_平均利回り年率) ** (1/12) - 1 # 月次利回りに変換
積立計算関数
def calculate_final_amount(月次利回り, 信託報酬年率, 月次投資額, 月数):
資産額 = 0
for _ in range(月数):
資産額 = (資産額 + 月次投資額) * (1 + 月次利回り)
資産額 *= (1 - 信託報酬年率 / 12) # 月次で信託報酬を考慮
return 資産額
資産額の計算
A_最終資産額 = calculate_final_amount(A_月次利回り, A_信託報酬年率, 月次投資額, 月数)
B_最終資産額 = calculate_final_amount(B_月次利回り, B_信託報酬年率, 月次投資額, 月数)
A_最終資産額, B_最終資産額

参考 計算に用いたpythonコード

おわりに

企業型確定拠出年金の移換というと、最近までは転職先の企業型DCへの移換一択でしたが、潮目は変わってきています。

いざ転職する時まで企業型DCほったらかしだったといった方からするとiDeCoを開設するのは手間ですが、一生物の資産になりますからぜひ自分で調べてiDeCoへ移換することを選択肢の1つとしてみてください。

ただし、iDeCoに移換する場合は退職してから6ヶ月以内に口座開設する必要があるなど一定の条件がありますので、お早めに手続きを進めることが重要です。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。