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【企業年金の遺族年金②】年金受給者が亡くなったら、遺族年金はいつまでもらえるか解説します

退職金・企業年金コンサルティングチャンネルの講師をしております大森祥弘です。

本稿では、企業年金の遺族年金シリーズということで前回に引き続き、遺族年金の実務的な話を解説していきますがズバリ「企業年金の遺族年金はいつまで受給できるの?」について解説します。

*確定給付企業年金をベースに解説しております。確定拠出年金は年金受給できず、一時金で一括受給です。

YouTube動画は以下からご覧頂けます


動画要約コラム

厚生年金と企業年金の遺族年金の違い

・国の年金(厚生年金)は終身年金で、遺族にも支給される
・企業年金は支給期間が決まっており、遺族への支給期間は各社の企業年金規約に書かれている(期間限定。専門的な言葉を使うと確定年金)

遺族厚生年金の税金について

・遺族年金は非課税。ただし、遺族年金が老齢厚生年金より少ない場合、その差額は課税対象

労災保険による遺族補償年金

・労働者が労災により亡くなった場合、遺族に遺族補償年金が支給される

企業年金と厚生年金、労災はこう違う

・国の年金では、遺族年金を受け取っている間に配偶者が亡くなった場合、子供が受給権を引き継ぐ
・企業年金の遺族年金は厚生年金、労災のように終身年金(生存していたら亡くなるまでずっともらえる)と異なり、例えば退職してから10年といったように支給期間が決まっている。
・遺族は受給者が受給していない期間(例えば、10年確定年金で受給開始から3年で亡くなったとしたら残りの7年)の間、遺族年金を受給する。

(参考)企業年金の仕組みと支給期間

・企業年金の支給期間は企業によって異なる
・大半の企業は一定の期間(例:10年)で支給する
・企業年金は基本的に退職金の分割払いであり、利息を付けた形で支給されるもの

確定年金と有期年金の違い

・確定年金:支給期間が決まっている年金(例:10年間支給)
・有期年金:生存している限り支給される年金(例:10年は生存に限らず支給、生存していたら加えて5年支給)
*有期年金の部分は企業が持ち出しで支給するので社員(貰い手)からすると得。

おわりに

このWebコラムとyoutube解説動画では、企業年金の遺族年金と他の厚生年金や労災との違いや支給条件、税金取り扱い、そもそも企業年金の遺族年金を語る上で大切な確定年金と有期年金の違いについて解説しました。

企業年金の遺族年金に関する情報は無駄に高額な保険料を払って生命保険に加入しすぎたりといったことを防ぎ、将来の家族の生活設計に役立ちますのでぜひ軽くさらって頂けるともしもの時に有効です。