見出し画像

北國銀行のiDeCo・企業型DC対応!eMAXIS Slimがついに購入可能に

退職金・企業年金コンサルティングチャンネルを運営しております大森祥弘です。

今回の動画はニュース解説ということで、北國銀行がiDeCoでe MAXIS slimシリーズの取り扱いを開始した件について解説します。

ネット系証券会社以外でe MAXIS slimシリーズが買えるのって初なんじゃないかなと思いまして、紹介するとともに私の視点で深掘り解説します。

また、しれっと北国銀行の企業型DC(総合型)でもe MAXIS slimが運用商品ラインナップに並んでいます。このnoteでの解説はiDeCoや個人の方向けになりますが、企業型DCでもe MAXIS slimが買えたり、同水準の信託報酬の投資信託が購入できるような流れになってきています。

ぜひnoteでの補足解説とあわせて動画解説も視聴頂けますと幸いです。

YouTube動画はこちらからご覧頂けます

e MAXIS Slim、ついにネット系証券以外でも!北國銀行のiDeCo&企業型DCでの利用始まる


退職金・企業年金コンサルティングチャンネル(Web版)補足解説


石川県の地銀、北國銀行は2024年3月26日からiDeCoの商品ラインナップにe MAXIS slimシリーズのうち、6商品を追加

e MAXIS slimシリーズというのは、これまで企業型DCとかそういったものでは取り扱わないんじゃないのというような、業界の常識といいますか、暗黙のルールというか、了解というか、そんなような感覚もあったんですけれども、実はほかの動画でも解説しますが、だんだん潮目といいますか、雰囲気が変わってきているようにも私は捉えています。

具体的に北國銀行はe MAXIS slimシリーズの何を取り扱うのかですが、全世界株式(オルカン)、米国株式(S&P500)といった代表的なものに加え、日本株が含まれているオルカン、国内株式はTOPIXを指数にしたインデックス、それとバランス型もあります。

株式に関するファンドは一通り揃えています。

(参考)個人型確定拠出年金(iDeCo)の運用商品追加について 株式会社北國銀行
https://www.hokkokubank.co.jp/customer/saving/401K/pdf/20240325.pdf

(参考)北國銀行の iDeCo商品ラインナップ、 iDeCo・企業型DC紹介ページ

https://t2.jiji.com/linkbox?userID=hokkoku-bk_v2&pageID=LB1302_STANDARD

ネット系証券会社のe MAXIS slimシリーズ取り扱いとの比較

ネット証券各社の比較についてお話しします。

ネット証券各社の商品ラインナップは、次のとおりです。
*公式から一部、スクショで拝借したのですが三井住友銀行(ジャパン・ペンション・ナビゲーター)、auアセットマネジメント(auの iDeCo)も取り扱っているのでネット証券会社だけではないのですが、皆さんの興味関心があるのはSBI証券、楽天証券を代表格にマネックス証券、auカブコム証券、松井証券あたりかなと思いますのでYouTube動画での解説内容に加えて補足解説していきます。

以下の三菱UFJアセットマネジメントのページから引用

横並びで眺めて頂くとわかりやすいのですが、e MAXIS slimシリーズを iDeCoで取り扱う各社の戦略には大きな違いがあります。

例えば、SBI証券がわかりやすいのですが、 iDeCo(個人型確定拠出年金)で、日本を含む全世界株式のファンドを購入したいとします。

e MAXIS slimシリーズですと全世界株式(オール・カントリー)が該当しますが、SBI証券の iDeCoで取り扱われている全世界株式は(除く日本)になります。

日本株を含むポートフォリオのオルカンを購入したい場合は、SBI証券のSBI-SBI・全世界株式インデックス・ファンド「愛称:雪だるま」が該当、言い換えれば、日本株を含むe MAXIS slimシリーズの全世界株式(オール・カントリー)はSBI証券の iDeCoでは購入できないのです。

なぜ、日本株を含むe MAXIS slimシリーズの全世界株式(オール・カントリー)をSBI証券が iDeCoで取り扱わないかというと、SBI証券のSBI-SBI・全世界株式インデックス・ファンド「愛称:雪だるま」のほうが信託報酬が0.1022%程度(e MAXIS slimオルカンは0.05775%)と高いので、 iDeCoを運営管理手数料無料(毎月の定額手数料の一部)にすることが難しくなるためと私は推測しています。

さて、SBI証券の iDeCoを一例にしましたが話を北國銀行に戻しましょう。
e MAXIS slimシリーズを iDeCoで証券会社が取り扱う時には色々と思惑がある点を1つ紹介しましたが、北國銀行が iDeCoでe MAXIS slimシリーズを取り扱うことは投資家である皆さんにとって大きなプラスです。

北國銀行の iDeCo手数料は?

iDeCoも手数料競争が激化しておりネット証券においては、運営管理手数料を無料に設定することが一般的です。

ただ、無料と言っても、あくまでいわば申し込みを受け付ける金融機関の取り分である部分に限ります。

実際にはどこで iDeCoを申し込んでも毎月、171円は必ず払います。

では北國銀行の場合はどうでしょうか?

https://www.hokkokubank.co.jp/customer/saving/401K/info.html

運営管理手数料として319円が課され、合計で490円のコストが発生します。

ネット証券各社と比べれば、運営管理手数料を無料にせず319円取るという理由は簡単で、毎月一定の手数料を徴収しなければ採算が合わないためです。

ただ、私はそれほどこの毎月319円払うというのをネガティブに捉えていません。

北國銀行の iDeCoが適している方

50代や40代の方々、特に大都市圏から地元である石川県に戻るシニアやUIターン転職を考えている方々に適しています。

前職の企業型確定拠出年金(企業型DC)からまとまった資産(例えば500万円、800万円、または1,000万円)を移換するような場合には北國銀行の iDeCoは魅力的です。

北國銀行の運営管理手数料は319円と、他のネット証券と比べて確かに有料なのですが、手数料合計490円を月々払えば北國銀行の様々なサービスを享受できる、具体的には相続や住宅ローンなどの重要な金融相談に対応可能な相談相手を確保することができます。

これは、特に地方出身者にとっては、地方銀行との長期的な関係を築く良い機会となります。

さらに、 iDeCoの加入可能な年齢は法改正により70歳まで可能になることが確実となっています。

高い手数料のアクティブ型投信を顧客に勧めるよりも、e MAXIS slimシリーズを勧めるほうが余程、お年寄りに親切だと思いませんか?

北國銀行の iDeCoが適していないケース

22歳の新入社員が老後の不安を解消しようと iDeCoの開設を考えた場合、月々の手数料490円は仮に掛金を毎月5,000円から始めるといった場合には約1割が手数料で持っていかれてしまいます。

少額から iDeCoを始める場合は、手数料の割合が大きくなるためお勧めできるかというと悩みますね。

北國銀行が iDeCoでe MAXIS slimを取り扱う意義

北國銀行がIDECOを取り扱い始めたことの意義は大きいと感じます。

新NISAの解禁により、企業年金や確定拠出年金の潮目が変わりつつあるこの時期に、私は特に転職前の資産の活かし方や、早期退職をして地元に戻った後のお金の話というのは相談相手が必要になってくると感じています。

iDeCoは70歳まで加入可能になると新聞などで報道されていますが、実は75歳まで運用指図者という形で運用可能で、掛金を支払わずに運用を続けることができます。

でも、75歳って後期高齢者になる年齢なんですよね。

面白いもので、”回帰”と言いますか、コスト競争でネット証券が魅力的に映る人もいれば、地銀のウエットなアナログなサポートが欲しいという人もいるでしょう。

個人的には、他の地銀のモデルケースといった形で成功してもらえるといいなと思っています。別に石川県でなくても、加入できるわけですから地銀もエリアを本店を構える地元だけと捉える必要もありません。

大きな保険会社や銀行の下請けのような形で仲介手数料ビジネスをするより余程、建設的かなと思います。

企業型DC(総合型DC)にもe MAXIS slimが並ぶ

企業型DCにも iDeCo同様、e MAXIS slimが並んでおります。

企業型DCは iDeCoや新NISAに比べ、コストが割高なファンドが並ぶのが一般的でしたが、企業型DCも潮目が変わってきています。

実はe MAXIS slimシリーズ以外にも、同水準の低コストファンドが企業型DCで取り扱われているケースがあるのですがこちらはまた別の話ですのでまた、今後、配信する動画で紹介してまいります。

最後までご覧いただきありがとうございました。