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【確定拠出年金で買えない隠れ商品】最安オルカン運用商品Tracers(日興)をeMAXIS slimと比較し紹介します(つみたてNISA、新NISA)

退職金・企業年金コンサルティングチャンネルの講師をしております大森祥弘です。

今回の動画解説は前回に続いて、iDeCo、つみたてNISAといった長期分散積立投資で購入できる運用商品のうち、オルカンの新進気鋭ともいえるTracers 全世界株式(日興アセットマネジメント)についてご紹介するとともに大御所のe MAXIS slim 全世界株式(オルカン)との違いなど触れたいと思います。
*私らしく忖度なしで解説していきたいと思います 笑

YouTube動画解説はこちらからご覧頂けます

Tracersとは?

日興証券グループの運用商品になります。Tracersというのは「e MAXIS」と同じようにファンドの名称です。
*慣れると自然に思えるのですが、企業型DCやiDeCoの運用商品をどれにしようか考える際になんだか抵抗を感じてしまうのが実はこのファンドの名称だったりするんですよね。

日興証券のiDeCoの運用商品一覧を見ると、実はこのTracersはありません。ネット直販専用のファンドで商品の製造は日興、販売はネット系証券会社(2023年9月時点ではSBI証券とマネックス証券だけ)しかしていません。

私はどうしても企業年金出身の人なので、企業型確定拠出年金(企業型DC)、iDeCoの運用商品に頭がいきがちなのですがTracersは手数料が他のオルカン(全世界の株式に投資する外国株式)と比べ圧倒的に低いです(2023年9月時点でおそらく最安)。

企業型DC、iDeCoともにどうしても金融機関各社のコストがかかります。そのため、新NISAとつみたてNISAでしかまだ買えないのだと思っていますが、どうしても企業型DCの商品は見劣りしてしまいますね・・(この辺はまた改めて機会があれば解説します)。

さて、Tracersの話を進めるとして、まずはこのTracersの最大の魅力である手数料の低さについて解説します。

*Tracersシリーズは商品が全世界株式、グローバルバランス(おとなのバランス)、米国株式、分散型レバレッジのゴールドプラス、グローバル2倍株と2023年9月時点で5つの商品があります。つみたてNISA適格は全世界株式とおとなのバランスです。

↓Tracers公式 興味のある方はどうぞ

e MAXIS slimより安い手数料

Tracers全世界株式はまだ発売されたばかりの新商品。2023年4月26日から運用開始ということでまだ1年経っていないのですが発売当初から設定された信託報酬は0.05775%。当時は業界騒然の脅威的な手数料の安さでした。

どのくらい安いかといえば、オルカンの大御所とも言えるe MAXIS slimの信託報酬が0.1133%。これの約半分の手数料率でリリースされたわけです。

多くの方がiDeCoに加入する際に申し込みの候補先にするSBI、こちらの代表的なオルカン商品「SBI-SBI・全世界株式インデックス・ファンド」も0.1102%ということで、いかにTracersの信託報酬率が低いかわかると思います。

バランス型のファンド商品やターゲットイヤー型の商品では1%を超える商品もザラなわけで、企業型DCの運用商品なんて企業次第で個人ではどうしようもない部分もあります。

企業型DCで企業が揃えた商品から買う、銀行の窓口でiDeCoに加入するといった中間マージンが搾取されることやむなしのビジネスモデルよりも「個人でネット直販で買うのがお得」。日々の日用品をAmazonで買うのと同じように、確定拠出年金やつみたてNISAも同じことが言えるようになってきています。

Tracersに話を戻します。Tracersがe MAXIS slimより安いかというと、信託報酬に限ればe MAXIS slimもTracersに信託報酬をあわせに来ました(2023年9月8日から0.05775%に引き下げ)。

iDeCo、企業型DC含め積立投資の運用商品は少し興味のある方であれば元本確保型の定期預金だけでなく、バランス型の運用商品にしていたりといった方もおられると思いますがインデックス投資では信託報酬が運用収益に直結しますので他社に並ばれるとなかなか辛くなります。

それでTracersはどうしたかというと、隠れ手数料と言われているその他経費率を0.1%から0.03%に引き下げたわけです(2023年8月に実施ということで私にはe MAXISを初め代表的な各社のオルカン商品が安易についていけない手数料水準に引き下げる勝負をかけたと思えます)。

結果、どうなったかというと現時点で最も安いインデックス投資のオルカンファンドが誕生してしまった(誕生してくれた)わけです。

Tracersの留意点

このまま解説を終えると「大森さん、絶賛」ということで私のYouTubeチャンネル登録者や視聴者の皆様が一斉にTracersへ乗り換えることになりそうなので、留意点ということで少し情報提供したいと思います。

ただし、公開情報(消費者が確認できる情報)に限ればTracersの留意点は解消されています。このあたりの経緯も理解頂けるように解説します。

留意点というのはズバリ、「業界最安の手数料」だけど他社と同じ条件なの?ということです。

この答えは細かいことを除けば、2023年9月から限りなく近く対等になったと言えます。

実はこのTracers全世界株式、発売当初はTwitterでフルボッコ(批判)されていました。なぜかというと、信託報酬は最安なんですが、隠れ手数料と言われるその他経費率が1.0%あり「”信託報酬”ってどこからどこまでのこと?その他経費1.0%含めたら安くないじゃん」と集中批判されたわけです。
*当時のe MAXIS slimの信託報酬率は0.11325%。お互いにどこからどこまでのことをどの手数料区分にしているの?という点で争っていたわけです。

それでTracersはどうしたかというと、批判の原因であった「その他経費率」を1%から0.03%に23年8月から引き下げたのです(1%も上限という表現だったのですが、0.03%という数値を設定)。

こうすると、Tracersは0.05775%+0.03%=0.08775%
一方、e MAXIS slim は9月8日から0.05775%

e MAXIS slimがメガバンパワー出したと思えるのですが、全て横並びかというとちょっと違うようでTwitter界隈ではTracersの方がパフォーマンスが良いといったコメントもあり、お互い競争しているもののはっきりわからないというのが現状で、Tracersは相当安いと言えるというのが現状なのです。

*ちなみにこの信託報酬やらその他経費率、何を含めていて何を含めていないのか分かりづらいということで2024年の4月から総経費率に統一されます。ただ、統一されても完全には横並びにならないようで分かりません(段々、改善されていくと思っていますが・・・)。

Tracersとe MAXIS slimどちらが良い?を考えた結論

このe MAXIS slim全世界株式とTracers 全世界株式のオルカン同士、どちらが実際の運用収益が多いのか私のYouTubeチャンネル登録者の皆様に具体的にお伝えしていきたい。

そこで、面白いアイデアが降ってきたのですが新NISAでは、私はこの2本の商品を同じ金額で投資し続けて定期的に公開しようと思います。

ただ、留意点がありまして私も新NISAの月額上限10万円を5万円づつ毎月突っ込むというのは子育て世代の私からしますとちょっと勇気がいります。

そこでこのYouTube、退職金・企業年金コンサルティングチャンネルの収益で長く続けられる金額ということで、計1万円(それぞれに5,000円づつ)であれば若い方で積立投資に興味のある方の参考にもなるかもしれないし良いかなと思って、あえてこの位の金額でやってみようかと思います。
*これにより私は新NISAでこの2つの銘柄にこれ以上投資できなくなってしまいます(絶対どちらかにまとめて、投資金額はやく増やしたほうが良いのですが 苦笑)。大森さんが人柱になったということでぜひチャンネル登録者の皆さんには応援して頂けますと嬉しいです。

さて、今回のnoteはこのへんにしたいと思います。
最後までご覧頂きありがとうございました。

*運用会社の方でも一般の視聴者の方でも「この運用商品について語ってほしい」といったご要望は大歓迎です。最近、このチャンネルの質問もバリエーションが増えてきたので私が語れることであれば忖度なしになんでも歓迎ですのでお待ちしています!

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